2019-08-02

【構造】住学構造部02「構造計算のメリットと必要性。」


ゆうです^^

先日、住学構造部第三回が開催されました。


今回も面白かった!

構造計算のメリットとは。

・構造計算をしない簡易な検定とどう異なるのか。

建物の形状によってどのような注意が必要になるのか。


授業の一部をご紹介いたします♪




構造部の授業内容はプロ向けですが、エスネルブログでは建て主様向けにアレンジしてお伝えします。

(紹介は一部です。プロの方は構造部入部オススメです^^)



「構造」


というと


「ちょっと難しそう?面倒そう?」

「そこはプロに任せたい、」


と思われるかもしれません。


ハッキリ言うと、構造は難しくて面倒です笑

(簡単に言うと「数学と物理のお勉強+材料工学」)



重要なのは、構造は難しく面倒なので

プロでも正しく理解している人は少ない

というところ。



建て主様側としては、良い家を建てるには

依頼先の設計者が構造を理解して間取りを作っているかどうか

を把握してから家づくりを進めることが重要になります。



そのためには、建て主様も

・少し構造の知識を持っておくと良い。

または、

・知識を持ったプロかどうか調べられると良い。
 (設計士に直接聞く、ブログを読むなど)




相手の設計士が構造に詳しいかどうかを見抜く質問としては例えば


「もし自邸を建てるなら耐震等級はどのくらいにしますか?」

とか。


この質問の回答でポイントなのは、等級のランクではなくその等級を選んだ根拠です。


・どの程度の地震がどの程度の頻度で発生することを想定するか

・間取りとの兼ね合い

・積雪地であれば、冬以外の時期の余力

・積雪時だからこその冬期の地震に対する余力

・コストバランス、貯金(保険)とのバランス

・その家に何年住むのか

・今までの地震の被害の知識

、、、




耐震性を決める要因はたくさんあります。

要因によって求められる耐震性はそれぞれ。

ただし、そこに根拠があるかどうかがとても重要です。


専門的な知識が全くなくても大丈夫です。


相手の回答を聞いて


「この人なら信頼できそうだ。」


と感じられれば十分かと思います^^

(耐震性に限らず、設計士の人間性・思想はその他の部分の設計にも影響を与えます)


豊かな暮らしのつくり方。10-3 ー『耐震等級とは。』ー
【秘訣】2018年の積雪から構造を考える。「設計積雪量」②
【秘訣】構造計算された家を。「耐震等級3」を勧める理由。
設計事務所の仕事『ラフプラン検討。』間取りと構造。

................


いつもどおり前置きが長くなってしまいました(^^;)


それでは第三回構造部について!

校長の挨拶でスタート!

「多くの地震を経験した新潟は、構造に強い設計士が生まれるポテンシャルがある。」

その通りですね!
傷みがあるほど人は成長します。

『中越沖地震から10年』家を建てる上で最も大切なこと。


会場は、エスネルデザインが入っている「ものづくり学校」303教室の隣の301教室。

いつも車で長距離移動をしているので、数歩で行けるのがとても助かる^^



部長の實成さん作成の資料を一部ご紹介!




構造計算をしない場合、壁量計算という簡易な検定のみで検討が終わる。

弊害としては
 ・いろいろ検討が足りていないことが多い
 ・簡易な分、設計の自由度が狭まる
 ・安全率が高い分、材料コストがかかる場合も


「壁量計算クリア=耐震等級1相当(=建築基準法最低限レベル)」

ということになっているが、計算してみると差があることが分かる。

構造計算で耐震等級1を満たす場合、壁量計算の1.4~1.5倍の耐力壁が必要。

理由は、
壁量計算は、内壁など余力も耐力として計算に含めているが、
構造計算は、それらの余力は含めずに計算するため。

→同じ耐震等級1でも、壁量計算のものと構造計算のものでは耐力壁の量が異なる。
 (構造計算のほうが余力を多く残す設計)

「木造軸組工法住宅の許容応力度設計(通称グレー本)」より。

まとめると、
「耐力壁が負担している割合は地震力の約半分。もう半分は内装壁が負担してる。」
(耐力壁…計算に入れる。内装壁…計算に入れない(ことが多い))


半分って、、、

最初に知ったときはその大きさに驚愕しました。

余力の確保が重要であることが分かる。


また、壁量計算(簡易検定)には雪の重さが加味されていない。

新潟ではありえませんよね。

地震力は重さが大きくなるほど大きくなります。


新潟では構造計算は必須です(断言)。


ホワイトボードを使いながら軽快に分かりやすく説明される實成さん。
理解の確認やより深い話を聞くことが出来てとてもありがたい!

グレー本より。
「建物の平面、立面は耐震的には単純なものが好ましい。」

凹凸のあるプランはそれぞれの部分ごとに複数回構造計算を行い、安全性を確かめる必要がある。
(それでも弱い部分は内装の損傷などは起きやすい)



エスネルデザインはコストを重要視する設計事務所です。


それはゆとりある豊かな暮らし(家計)のために。


我が家は中越沖地震で大きな被害(安全+経済的)を受けました。

イニシャルコストだけでなく、被災時の経済的被害抑止に関しても重要視しています。

そのため、基本的には凹凸の少ない総二階のプランをベースにご提案させて頂いています。



................


構造部第三回目もとても勉強になりました^^

實成さんを始め、ウッドハブさん大変ありがとうございました。


今回ご紹介したのは授業の半分以下で、特に建て主様に伝えたい部分のみ。

深く学びたいプロの方は構造部入部をオススメいたします。

(構造部の真髄は實成さんのトークにある!)

實成さんに直接質問もできるため、悩んでいる実務者にはとてもありがたいですよ^^


實成さん、構造部、次回も楽しみにしています♪


-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-




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村松 悠一 一級建築士
エスネルデザイン代表

新潟の気候に合った「暖かい小さな家(エスネル)」を提案している。
趣味:旅行、カフェ、夕日、1歳の息子と遊ぶこと。



メッセージはメールインスタからどうぞ^^


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