ゆうです^^
設計事務所の仕事に『プランの作成』がありますが、基本プランを作る過程である『ラフプラン』の検討についてご紹介します。
「あーでもない、こーでもない。」
「これが良い。けどあれも良い、、」
とラフプランを書きまくって悩みまくります。
※建築業界ではラフプランを練ることは「エスキース」と呼ばれる。
(仏語で「下絵」)
基本的にプランが一発で出来ることはありません!
お客様に提案するプランになるまでに何個も何十個もラフプランを書いていきます。
(特に設計事務所では)
何十個もプランを考えるわけは『比較プラン』を作るからです。
例えば
「壁をもう45cmずらしてみたらどうか」
「リビングとキッチンを逆にしてみたらどうか」
「いっそのこと間取りを反転させたらどうか」
「思い切って2階リビングにしてみたらどうか」
、、、
それらのプランは一長一短あります。
それらを並べて比較し、最終的にバランスの取れた落とし所を見定めていきます。
イメージとしては、
「お客様の要望」
「敷地条件」
「設計者の想い」
「予算」
などがお盆に乗っていて、それを下から指一本で支えるとするならばその重心はどこか?
を探るような作業です。
「こだわらない家づくり」とは。良い家づくりの秘訣。
さて、
ラフプランで重要なポイントは『間取り』と『構造』を同時に検討することです。
基礎や耐力壁の位置を考えながらプランニングしていく。
構造の検討のないプランは最終的に破綻します。
具体的には、構造が最初から考えられていないと「耐震等級3」を取ることは難しいです(+_+)
耐震等級3はラッキーで取れるものではなく、最初から取るつもりでプランニングしていないと取れません。
(特に「積雪が多い」「大きな吹き抜きがある」等の場合)
また、1階と2階の柱の直下率(2階の柱の下に1階の柱が存在する比率)も検討しながらプランニングします。
2階の柱の下に1階の柱がない場合、梁への負担が大きくなったり、地震時の損傷具合が増すことにつながりやすい。
梁のかかり方も検討する。
間取りは簡単に考えられるようで奥が深く難しい。
2階リビング案。
検討の軌跡は何枚にもなる。
「答えはひとつではない」からこそ設計者は悩みます。
プランを決断するには「これが良いんだ!」という『設計士の強い思想』がないと決められません。
エスネルデザインで言えば、
「小さな家」
「凹凸の少ないきれいな四角い間取り」
「吹き抜け(採光・空調)」
「密度の高い家族の間」
など「これが良いんだ!」という想いを頼りにプランをまとめていきます。
設計事務所の強みはこの『プラン検討の深さ』です。
自ら構造計算する設計事務所はプラン提案の幅が異なります。
構造的に無難な企画プランの中から選ぶような家づくりとは一線を画します。
特に「小さな家」は設計が難しく、その面積内で「心地良さ」「利便性」「収納力」などの密度を高めていく場合、より専門的な設計力や経験が必要になってきます。
密度の高い小さな家を追求した「網川原のエスネル」↓
設計事務所の仕事『プラン修正・収納計画』‐case.網川原のエスネル‐
ラフプランの検討を重ねた結果、初回提案プランが出来上がります^^
プランは、スッと出来上がることもあれば、数ヶ月悩むこともあります。
そして、
エスネルデザインでは「悩んだ理由の紹介」「悩む過程を一緒に楽しんで頂く」などの理由から複数のプランを提案しています。
オーソドックスなプランA。
2階リビングのプランB。
南側を最大限に有効利用したプランC。
初回提案については下記の記事をご参照ください↓
設計事務所の仕事『初回プラン提案』‐case.網川原のエスネル‐
その他にもプランニングには
「面積」
「形」
「採光」
「視線の抜け」
「居心地」
「収納計画」
「個室計画」
「LDKの配置、広さ、動線」、、、
など悩むポイントもたくさん。
お客様の人生がかかっていると思うと、悩んでも悩みきれないとても大変な作業です。
答えが出ずに逃げ出したくなるようなときもあります。
しかし!
悩んだプランをお客様に喜んで頂いたり、そのプランの家が出来上がってきたりすると、それまでの苦労が吹き飛ぶほど嬉しいものです^^!
この喜びがあるから設計士の仕事はやめられないんですね。
以上、初回提案プランが出来るまでの裏側でした♪
-「超高断熱の小さな家」escnel design-
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