ゆうです。
S邸リノベーションのインスペクション報告の続きです。
前回のブログ→S邸リノベーション。10「インスペクション実行『室内①壁』。」
前回から引き続き「室内」の報告です。
前回、壁に問題ないとされる基準の倍以上の傾きでがあることが明らかになりました。
今回もまた同じような問題が、、、
―――――
【室内床】
キッチンのおそらくカップボードを置いていたであろう部分の床に「水染み跡」があり劣化が確認された。
フローリングの巾木の間に隙間が確認された。
床の傾斜か施工ミスと考えられる。
むむむ、床の傾斜?
畳をはぐった裏面の様子。
畳に特にカビ等もなく、床下地も健全だった。これは朗報。
床下が湿潤だと畳はかびやすい。床下は乾燥していると思われる。
厚さ6cmの天然の藁床畳だった。
(最近の畳は発泡スチロールを入れた新建材畳が多い)
脱衣室の床の隅に著しい沈みがある部分があった。
巾木と床の取り合いはシーリングされている。(住み主がやった?)
お風呂の水がかかり、床下地が腐朽してしまった様子。
下地だけの腐朽であれば、下地の交換で問題なし。
腐朽が他に広がっていないかが問題。
土台などの構造材にまで広がっている場合、その部分の交換が必要。
また、腐朽・湿潤状態の木材が多いとシロアリを呼ぶリスクが高まる。
→床下での目視点検を注意して行う必要あり。
そしてついに、問題の床のレベルの調査へ、、、
レベラーで壁に水平のラインを投影し、そのラインから床までの長さを測ることで床の傾きを確認する。
そして、リビングの床には著しい傾きが!!
iPhoneのコンパスアプリに表示された傾きは1度!
(僕はこの機能を知らなくて、S様とFPの昆さんに教えて頂きました。)
1度ってどれだけの傾き?小さいんじゃないの?
いやいや1度は相当な傾きです!通常なりません!
1度ということは、1m先は17mm傾いているということ。
実際に、レベラーで計測してみると、
最低部と最後部の差は5cm以上もありました。
離れ距離約5.5mで段差約55mm→55/5500=10/1000!
許容範囲内と判断できる6/1000を大きく超えています。
(実際の傾きは0.6度ほどか。アプリでは四捨五入して1度になったと思われる)
青字が床の高さの差。赤字は柱の傾き。
これはどういうことか!?
壁の報告で書いたとおり可能性としては、
①地震によって基礎の上の構造が傾いた。
②地盤沈下によって基礎ごと建物が傾いた。
③施工時(完成時)から傾いている。(施工不良)
が考えられます。
2階の柱の傾きは、
・クロスのゆがみがみられなかったこと
・施工ミスという可能性があること
から、「施工時から傾いている可能性が高いのでは」と考えていましたが、
1階の床は違います。
なぜなら、
「1階の床は基礎のすぐ上に乗っているため、傾きが出ることは稀」
(基礎の上端の高さは基本的に水平。液体のコンクリートを流し込むから。)
そして、
「床で5cmも高さが違うような施工を大工さんがするか!?」
という疑問。
から、
もしかして、施工不良ではなく、完成したあとに
地盤沈下が起きたのかも、、
と想像しました。
(S様はこの物件を買う前のため、そうだったとしてもS様に被害はありません。)
地盤沈下した家を直すには大きな金額が必要になるため、リノベーションする価値はグッと下がります。
そんな家をS様にお勧めするわけにはいかないため、インスペクションにいっそう身が引き締まりました。
確かめる手段は床下にあります!
ということで次回から床下の調査に進みます。
果たして地盤沈下しているのか!?
S様の家づくりは白紙に戻ってしまうのか!?
ドキドキでした。
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