2017-11-21

エッセイ「ニッポンのジレンマ。」


NHKの番組で「ニッポンのジレンマ」という番組がある。



数年前の元日の夜、ふとテレビをつけたらやっていて、

それから秘かに元日の楽しみのひとつになっている。




2017年の元日スペシャルのテーマは

『“Post-Truth”の逆襲 未来は明るいか?』

だった。

―――――ニッポンのジレンマHPより―――――

トランプ旋風から、イギリスEU離脱、人工知能ブームまで、政治、経済、文化、サブカルチャーまで硬軟様々な話題、事象から2016年ニッポンを総括、迎え来る2017年、その後への展望を切り開く。

世界は事実より感情を優先する、そんな文脈でPost-truthが今年のキーワードに選ばれるほど、理性と感情のジレンマに引き裂かれているのか?
非寛容、生きにくさ、が広がる現状をどう考える?

各分野の最前線を走る十数人の"異端児"が集結、200人以上の同世代のオーディエンスが見守る中、見えてくるのは果たして希望か、絶望か、それとも…?

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「ポストトゥルース」とは、

世論形成において、客観的な事実より、虚偽であっても個人の感情に訴えるものの方が強い影響力を持つ状況。

(オックスフォード英語辞典の「2016 Word Of The Year」に選ばれている。)






視聴して、思ったことや心に残った言葉を備忘録を兼ねて残そうと思う。



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「日本のジレンマ2012年は東日本大震災があったこともあり『俺たちが日本を変えてやる』という空気感だった。しかし、今はそういう空気ない。」


と論客の一人が言っていた。

なんとなく、腑に落ちた。


なぜなのか。

それは「大事なのは国じゃない」とそれぞれが感じ始めたからではないか。

それより「個人が幸せ」の集合のほうが強く結果的に効果的だということを感じてきたからではないか。


国(=全体)を大事にしたい人たちは、保守の人たち。

往々にして既得権がある人たち。

自由で能動的な人たちは個人レベルの見方を進めているのではないか。


「国」を変えようとすることが、国を変えるのではなく、

「個人の幸せを追求すること」が結果的に国を変える。


(国を変えようとすること
 =全体を変えようとすること
 =制度の見直しや、政治家の追及など)

(個人の幸せを追求すること
 =個人のやりたいことを仕事、奉仕として活動すること
 =目の前の人を幸せにすること。自分が楽しむこと。)




―――――

ー資本主義が終わる、終わらないの話ー


これまでは資本主義のシステムに頼り過ぎていたのではないか。

働けば収入が増え、買えるものが増え、幸せになれる。

それ以上考えてこなかった。

だから人間の精神的な豊かさまで踏み込めていなかった。

これからは資本主義のシステムに甘えていられない時代になった。

甘えていたら幸せにはなれない時代になった。

自分で自分の幸せを考え、獲得していかなければならない時代になった。

それは、幸せになるには「物質的なものではなく精神的なものが必要」ということ。




―――――

これから資本主義は二極化の時代。

グローバル(世界)のトップになるか、ローカル(地域)のトップになるか。

その二極しか生き残れない。

国内のトップでは勝てない。誰も選ばない。

(日本製の家電の現状を見て。)




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より良い日本の作り方は「投票」だけではない。

多様な政治参加の形ができてきている。

ボランティア、地域のイベント、、、

若者は、政治、既存システムの変化に期待していない。

だからこそ、それ以外のことを変化させようとしているのではないか。

自分たちでつくる街のイベント、自分の生き方、収入形成、、




―――――

相方の言葉。


「どう思う?」という僕の質問に対して。


「好きな人といるだけで幸せ。

 あとはおまけ。

 すでに満たされている。

 それ以上に細かいこと、難しいことは考えていない。」


「子供一人一人が夢を持てればいいな。

 好きな人と幸せになるとか簡単なものでいい。」



なるほど。

この人の言葉はいつもシンプルで力強くて光のように僕の胸を指す。



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制度的なところから見直し始めるやり方は間違っているのかもしれない。

もっと心の中から、幸せ感から、感覚的なものから見始めるやり方こそ、本質的に豊かな答えが導かれるのかもしれない。

システムは所詮システム。完璧ではない。

重要なのは、そのなかで自分がどう動くか、どう幸せを得るか。

論理的な頭より感覚的な頭のほうがいいのかもしれない。




―――――

これからの社会を良くしていく答えのひとつは、

『多様性の容認、応援』ではないか。


俺は例えばその分野では、世界一周の旅を語れる。

それが俺にとっての社会貢献、そしてそれ自体が俺個人の幸せになる。


これからは、仕事とは別に、

「幸せ、感謝、社会的居場所を得るための活動」

が必要になってくるのかもしれない。

「お金を得るための仕事」と「社会的な役立ち感を得るための活動」

これが、お金がだけでは幸せを感じられなくなったこれからの時代のバランスの良い生き方なのかもしれない。

(ビルゲイツやザッカーバーグなど億万長者の行動を見ていると、我欲の先の世界が見える。)



好奇心で突き進めば、それが仕事になり、社会奉仕活動になる時代。


最高の時代に僕らは生きている。個人が生き生きと能動的に生きられる時代。

思考し行動する人が対価を得られる時代。

なんと健全なことか。





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番組は「みんなでこれからのビジョンをみつけよう」というような進行だったが、まったく意見はまとまらなかった。


それは根本的にまとまるものではないからだろう。

十人十色。

ビジョンは人それぞれ、利己的なものでいい。

それが実現できる時代なんだから。

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