ゆうです。
少し前に事務所の近くにオシャレなカフェができました。
「ITOYA荒町ラウンジ。(イトウヤカフェ)」
居心地の良さと攻めたデザインに大きな刺激を受けました。
三条市荒町にあるイトウヤカフェは洋服屋さんのイトウヤさんの本店の裏にあります。
様々な植栽が植えられていて市街地だが森の中に建っているよう。
独特の三角屋根が連続した建物。
窓も屋根の勾配なりに連続している。
―――――シェルターさんHPより―――――
原案は小さな複数の建物が各棟の間隔を保ちながら関係し合うカフェというものでした。
オペレーションや新潟の冬季の気候を考慮し、実施設計ではこのように部分的に建物が一体化する形状になりましたが、そのコンセプトは決して原案から外れてはおりません。
一つの建築がその地に建つことで、周囲環境がどのようにその建物を包み込み、活用しながら愛し続けるか・・・。
私は常に建築をそれ単体で設計したことはおそらくありません。
カフェの周囲を包み込む樹木の成長とともにこの建築は本当の完成へと近づきます。
この建物は五泉市の神田陸建築設計事務所さんの設計で、
2017年のウッドデザイン賞を受賞されています。
先日の建築士の先輩方との忘年会でも話のタネになっていました。
イトウヤカフェは、一言で言い表すと、
『様々な居心地を味わうことができるスペシャルなカフェ。』
でした。
「居心地の良い木の建物から緑を眺める」という
僕の好みのどストライクで、気づいたら数時間も滞在していました。
玄関から入ってすぐのスタッフカウンター。
床はモルタル仕上げで壁も外壁風の仕上げがしてあり、緑もあり、屋外と室内の間の緩衝地帯の役目を果たしている。
コーヒー類の小物もとても雰囲気が良くムードがあった。
左のドアをくぐり先へ進むと、、、
奥行き間と開放感のあるカフェ空間が広がる。
正面が一面のガラスで抜けていて、その先も一面グリーンなのがとても気持ち良い。
玄関側を振り返って。
客席に段差があり、天井もジグザグで、空間が面白く豊か。
視界が空へ抜けて気持ち良い!
一番上のフロアから。
そこまで大きな建物ではないが、写真だとどれほどの広さが伝わりづらいと思う。
それだけ、様々な空間が広がっていた。
階段中腹の席に座る。
古材のカウンターと小物たちがとても素敵。庭の景色も良い!
「雪室コーヒー」を注文。
器がオシャレ。量もたっぷりあり味もおいしく大満足。
スッキリと壁一面に納められた窓はガラスが入っていないような開放感がある。
その秘密は 、柱の真後ろの見えづらいところで窓を継いでいるから。
既製品のサッシではなく、特注の納まり。設計力が問われる部分。
また、天井はガラス付近で上げてあり、室内からガラスの上端が見えないようにすることで枠がないようなスッキリとした印象を与えている。
そして、入ったときから気になっていた奥のスペースへ、、、
眺めているだけでとても気持ちが良かった。感動した。
ルイスカーンのフィッシャー邸のよう。
柱梁と白い壁と大きなガラス越しのグリーン。
シンプルでとても力強い。
「こういう建築を設計したい」と思っていたものが具現化されていた。
メモを取る。
(僕のような)建築ばかは、こういう建築が三度のメシより好きかもしれない。
良い建築に触れるだけでどれだけ幸せを感じられることか。
(外食も、味よりも店の雰囲気で選ぶほうが多いかもしれない。)
店舗のデザインは、住宅(特に高気密高断熱住宅)の設計とは、アプローチが少し異なる。
求められるものが違うから。
だから僕にとって店舗のデザインは非日常体験。
隣の畑を見学するのはとても刺激的。感謝して勉強させて頂く。
きれいでシンプルな窓周り。
四方枠も良いが、下枠のみもスッキリして良い。
時間はゆっくりと過ぎ、、、
外が暗くなるのと共に、灯りが広がる店内。
シナベニヤ突き付け納まりの天井とAEP塗りの白い壁のバランスがとても良かった。
天井・壁とオークの床にオレンジのライトが反射し、暖かい木のぬくもりの印象がさらに深まっていた。
気づけば2時間ほどが経っていた。
小説でも読もうかと思っていたが手に付かず、
ただただこの建物の中でゆっくりと時間の経過を味わっていた。
夜は個性的な窓が照明の光でより一層際立つ。
まさに「魅力的な建築」だった。
意匠的な納まりも構造もとても難しく厳しいことをやっていた。
とてもチャレンジングな建築。
しかし奇抜なようで、
植栽やシンプルな窓や内装からはとても落ち着いた印象を受けた。
平日で人が少なかったこともあり、とてもゆっくりリラックスできました。
今度はランチを食べてみたいな。
近くに出来た素敵な建築を堪能して幸せな気分で家路へ向かいました。
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