ゆうです。
エアコンの選び方の補足です。
→その①「エアコンの選び方概要」はこちら
→その②「具体的なエアコン比較」はこちら
今回は、その補足をしようと思います。
雨の日の通勤中、直射が差して虹が出ていた♪
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さて、エアコンの選び方ですが、実はけっこう複雑で難しいんです。
というのは、建物からどれだけの熱が逃げるのかを計算する必要があるからです。
前回の②では単純に、中と外の温度差だけを考え、どれだけ熱が逃げるのかを計算しました。
真夏にクーラーボックスを外に置いていたら、徐々にクーラーボックス内の温度は上がっていきますよね。
外から中へ熱が伝わるからですよね。
それと同じ種類の熱の逃げ(熱貫流)だけ考慮しました。
しかし、実際は温度差により熱の逃げのほかにも、
・日射熱による熱負荷
(窓ガラスから入ってくる太陽の熱)
・家電や人の発熱による熱負荷
(冷蔵庫やパソコンや照明や人からの熱)
・換気扇による熱負荷
(今の家は24時間換気をしている=空調した空気を外に捨てている)
これらは、家ごとにケースバイケースで、
・日射熱の量は、窓の大きさや向きによって変わります。
・家電や人も同様
・換気扇も家の大きさや、換気扇の種類によって異なります。
これらそれぞれ個別の条件を拾い出し合算することで初めて、暖房冷房の必要能力が算出されます。
また、これらはあくまで机上の計算ですからもちろん現実とはズレがあります。
生活スタイルの違いや空調の設定温度によっても変わってきます。
なので、シビアなエアコン選定はとても難しい!!
その結果、多くの設計者が
「12畳の部屋には12畳のエアコン(またはそれより大きな能力のエアコン)」
を提案しているのが現状です。
しかし、それでは、効率が悪い!(=光熱費がかかる!)
効率が悪い運転を続けていたら年間○万円も損してしまうかもしれません。
それを知らないのはもったいないですよね。
なので、しっかりとエアコンの必要能力を計算し、適切な機器を提案することがとても大事なんです。
また、その①では、「建物の断熱性が大きなポイントです」と書きましたが、
それだけでなく、気密性もとても大きなポイントです。
気密性が低いと(例えば、1階床・2階の天井に隙間があると)、
暖房時には、煙突のように1階床から冷気が入ってきて、2階の天井から暖気が外に抜けていってしまいます。
「温かい空気は上に行く」と学校で習ったとおりです。
(そのため、古い家ではよく「エアコンじゃ全然温まらない!」という話になる)
具体的な数値で言えば、気密性能を表すC値は1以下にしたいです。
(現在の事務所では平均C=0.4ほどを出しています。)
ちなみに、その①では、断熱性UA=0.9で計算しましたが、
UA=0.9はおよそ現在の断熱等級4(最高ランク)です。
しかし、現在の事務所ではUA=0.3ほどの断熱性の住宅をつくっています。
断熱等級4の3倍も断熱性が高いということですね。
それは、UA=0.9では快適性も光熱費の削減効果も必要十分でないと考えているからです。
そのあたりはまたいつか詳しく書こうと思います。
また、エアコンを家全体で使うか、個別の室で別々で使うかによっても選定は変わってきますね。
同様に、エアコンを24時間連続で使うか、いるときだけ付けたり切ったりして使うかによっても変わってきますね。
ちなみに、エアコンは風量が強のほうが効率の良い運転ができるって知っていますか?
同じ熱量を部屋に供給するとき、
風量が多いほうが、エアコンの機器の中の温度を少なく抑えられるからです。
説明が難しいですね、、
暖房で、室内を24度にしたいとき、
風量強なら、エアコン内温度は30度で足りるところ、
風量弱だと、エアコン内温度は40度必要になってしまう。
ということ。(数値は概算。)
※エアコン内には冷媒管という管が通っていて、その温度を変え風を当てて吹き出すことで冷暖房をしている。
※しかし風量を強にすると、音や風が当たることでの不快感などが増すリスクがある。
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最後に、もろもろ考慮して現在の事務所で提案していることをまとめます。
○基本的に、断熱性と気密性は高い仕様とする。
(UA=0.3、C=0.4)
【夏(冷房期)】
○すだれや外部ブラインドで日射熱を防ぐ。
○吹き抜け上の冷房エアコン(6畳用等)で家中全体冷房(24時間連続)
【冬(暖房期)】
○洗面脱衣室に設置した床下エアコン(14畳用等)で家中全体暖房(24時間連続)
風量強で高効率運転
→洗面室に設置することで音の問題解消+風呂や洗濯物を乾かす。
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ここまでまとまりなく書いてきましたが、
空調は、
必要能力、快適性、光熱費、断熱気密性、効率、配置、音、メンテナンス、、、
等が複雑に関わってくるので、簡単に言いまとめることはとても難しいです。
プロの設計士でもバランスの良い提案が出きている人は一握りだと思います。
なので、それらの知識・経験があり、それぞれの住宅ごとに深く検討してくれる設計士に出会えればラッキーですね。
まとまりがありませんが、今回はこの辺で。
いずれもう少し個別に深くブログで書いてみたいと思っています。
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