2017-11-28
住宅に使われるガラスの種類。「日射熱取得率とは。」
ゆうです^^
皆さんは住宅の窓ガラスにはいろいろな種類があることを知っていますでしょうか。
今回はガラスの種類の中でも「熱貫流率」と「日射熱取得率」について。
・「熱貫流率」とは、熱の逃げ具合の良し悪し。
熱貫流率が小さいと、熱の逃げが少なく断熱性が高い。
・「日射熱取得率」は字のまま。日射熱を取得できる率。
日射熱取得率が大きいと、太陽の熱を多く得ることができる。
(特に冬場に有効。)
上の画像には、
CVDガラスは、
「日射熱の取得に優れ、冬を重視する寒冷地におすすめです。」
と書かれています。
意味としては、「太陽熱を少しでも暖房に活かせますよ」ということ。
これだけ見たら「新潟は寒冷地だしCVDガラスにしよう♪」と思われる人もいるかもしれません。
しかし、ここ要注意です!!
CVDガラスのような日射熱取得率の高いガラスを選ぶ際にはいくつか条件があります。
①冬場の日射が見込めること
・南側に日射を遮るものはないかどうか。(隣家など)
・冬場の日射量は十分にある地域かどうか。
→主に太平洋側ですね。新潟では冬場の日射は見込めません、、
②夏場の日射を防ぐすべがあること
・日射熱を取得しやすい場合、夏場に取得する熱も増えます。
それを遮る対策はあるか。
(庇やすだれや外部ブラインドなど)
→対策がなければ、冷房費が余計にかかってきてしまいます。
③熱貫流率の低下とのバランスはどうか
ここはけっこうポイントです。
(十分理解していない設計者もいるかもしれません。)
画像を見ても分かるとおり、日射熱取得率の高いCVDガラスは他のガラスに比べて、断熱性(熱貫流率)が悪いです。
(およそ2割ほど性能ダウン)
なので、
冬場の日射を得るためにCVDガラスにしたけれど、
「取得した日射熱より逃げる熱のほうが多くなっちゃった」
なんてことになれば差し引きマイナスですよね。
新潟のように冬場の日射に恵まれていない地域では往々にそうなりがちです。
このあたりは計算してみないとハッキリとした判断はできません。
寒冷地とひとことで言っても、
「日射が多い寒冷地」と
「日射が少ない寒冷地」があり、
それによって選ばれるガラスも違ってくる、ということですね。
(そして、新潟は「日射が少ない寒冷地」、、)
たかがガラス1枚でも年間の冷暖房費の差が数千円、
家一棟で年間数万円、
30年住んだら何十万円!?
なるべくランニングコストは抑えたいですよね。
設計の工夫でそれは可能です。
冷暖房した熱をできるだけ無駄にしないよう
知識を持って適切な設計提案をしていきたいですね。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿