2018-07-28

【秘訣】夏の日射熱調査⑥「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【詳細】。」


ゆうです^^

前回、夏期の日射において

反射光による熱の影響がかなり大きいことを伝えました。

「直射を防ぐだけでは足りない」かもしれません。

今回は「前回の補足」という形でデータを用いて話をしていきます。

NEDO日射量データベースより。




簡単におさらい・まとめを^^


目的は

・夏期に部屋が暑くなることを防ぎたい。
 (→快適性の向上)

・夏期の冷房費を抑えたい。
 (→経済性の向上)

ということ。


その目的を達成するために「日射を防ぐ」ことを検討しました。

そして、日射には「直射光」「反射光」の2種類がありました。

直射光と反射光(イメージ)



そして、直射光を遮っても反射光による熱の影響で室内が暑くなることが分かりました。


ただ、

「反射光による熱って言っても微々たるものじゃないの?」
(無視してもいいんじゃないの?)

という率直な感想がありました。



しかし、調べてみると、
全ての熱の影響を10としたとき、その内訳は、

反射光による熱:約4割
直射光による熱:約6割

ほどかもしれないことが分かりました!


「反射光による熱の影響も無視できないほど大きいじゃん!」
(僕の感想)


今回、その説明をしていきます^^


【要注意】................
今回の内容は正しくないかもしれません。
(僕の勘違いの可能性、データ不足)
(正確に把握するためには実験で確かめる必要がある。)
(お気づきの点があればご指摘頂ければ幸いです(^^;))
................................


「水平面」に入射する「直射光(直達日射)」「反射光(散乱日射)」(8月平均)


赤四角(日照時間が少ない)を見ると、
直射光は減り、反射光は増えているのが分かります。
(=直射光が雲に反射して反射光に変わるから)

「雲で直射光がなくたったときほど反射光の影響が大きくなる」ということですね。


さて、

8月の直射光の合計は、約340MJ/㎡
8月の反射光の合計は、約250ML/㎡
総合計日射量は、約590MJ/㎡でした。

ここからそれぞれの比率を割り返すと、
直射光:340/590≒0.6(6割)
反射光:250/590≒0.4(4割)
でした。


※この数値は「水平面」のもののため参考値です。
(鉛直面である壁には、水平面よりも直射量が増えたり(朝晩)、減ったり(日中)する。)


より正確には「外壁面(鉛直面)」のデータがほしいです。

8月トータルのデータはなかったのですが、日ごとのデータががありました^^

日は、一番暑い時期であること、直射が多い日であったことから8/15を選びました。


下が8/15の「外壁面(鉛直面)」の直射光+反射光合計日射量のグラフ。
(東西南北)


パッと見て、東面西面に当たる日射量がほぼ同じであることが分かる。

→西日を悪者にしがちだが、東日も同様のエネルギーを持っている。
→朝方はまだ涼しいので東日の遮蔽はおざなりになりがちだが、西日と同じように日射遮蔽に努めることで冷房費を節約することが出来る。



また、「鉛直面の北面」と「水平面の反射光(散乱反射)」を見比べると、近似していることが分かった。




そして、

東面に当たる日射量は上図のように、日の出~昼は「直射光+反射光」・昼~日没は「反射光」となることが読み取れる。


もろもろを把握し、東西南北の面の直射光量と反射光量をまとめると、
(単位:MJ/㎡)
※反射光量は北面への日射量(朝晩のみ南面)を使用した。

  直射光量 / 反射光量
東: 8.54   /   5.25
南: 7.46   /   5.25
西: 9.80   /   5.25
北: 0.52   /   5.25

合計:26.32 /  21
比率:56%   /  44%


8/15では鉛直面も水平面同様およそ
直射光:反射光=6:4程でした。

反射光の熱の影響はとても大きいですね!


【余談】................

8/15 9:00の東面(鉛直面)の「直射光+反射光」量は2.42MJ/㎡、
「反射光」量は0.59MJ/㎡。(→「直射光」量は2.42-0.59=1.83MJ/㎡)

それぞれの比率は、
直射光:1.83/2.42≒0.75(7.5割)
反射光:0.59/2.42≒0.25(2.5割)

日差しが強い瞬間だけ見ると、直射光:反射光=7.5:2.5程だった。

................................




さて、

身近に感じられるよう光熱費に換算してみましょう^^


8月ひと月の直射光は約340MJ/㎡、反射光は約250ML/㎡でした。
(水平面の数値のため実際との乖離あり)

窓面積合計を30㎡、日射熱取得率を0.4とすると

直射光:340MJ/㎡×30㎡×0.4=4.0GJ
反射光:250MJ/㎡×30㎡×0.4=3.0GJ

ワットhに換算すると
直射光:4.0GJ=1,111kWh
反射光:3.0GJ=833kWh

冷房COP=5、電気代単価=29円/kWhとすると、

直射光:1,111kWh÷5×29≒6,500円/月
反射光:833kWh÷5×29≒4,800円/月

と出ました!
(日射遮蔽なし)

※トータル冷房費ではありません。
(あくまで日射熱のみに対してであり、熱伝導による冷房費は考慮していません。)


日射遮蔽をなにもしないと月4,800円もかかると思ったら、なにか対策をしたいですよね。

そこで「日射遮蔽(遮光ロールスクリーン)」となるわけです^^

(お金、手間、使い勝手などのバランスを考慮し、自分で調整可)
(屋根では反射光を防げない)



ちなみに日射遮蔽がなにもない場合、
窓1㎡あたりおよそ約300Wの熱が入ってくる計算になります。
(8月日中、晴れのとき)

電気ストーブ(弱)が約400Wなので、夏の日中は
窓約1.3㎡ごとに電気ストーブがついているようなものです!



そう考えると、日射遮蔽をしたくなりますよね(^^;)

適切な日射遮蔽をすることで「快適」と「お金」が生み出せれば嬉しいかと。


また、エスネルデザインでは
適切な日射遮蔽を理解・検討した上で、適切な住宅の提案をしたいと思っています。




................

今回は、まとめるのにだいぶ労力がかかりました(+_+)

最後まで読んで頂きありがとうございます。


-「超高断熱の小さな家」escnel design-


【追伸】................

サトウ工務店の佐藤さんにホメて頂きました^^うれしー♪




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1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

この記事拝見したのですが…
ご指摘くださいという事なので、書いておきます。

「反射光」の定義、果たして空気中を乱反射したもの…でしょうか。
NEDOの定義はわかりませんが通常「反射光」は周囲の地面や構造物から反射したものが主だと思われます。


北面であっても夏の日差しは地面から跳ね返ったものが主となりますので、
「垂直に立ったもの」で屋根がない場合は、影の影響が少なく、地面からの反射光の影響を強く受けるのではないでしょうか。

軒の長い屋根を持った場合は、北面でも軒の影になった分だけ反射光が少なくなるはずです。

軒の長い屋根の意味は大きいはずですよ。