2018-07-25

【秘訣】夏の日射熱調査④「ロールスクリーン有り無しによる室温差の比較。」


ゆうです^^

今回が「夏の日射熱調査シリーズ」のメインの回になります。

目的は「夏の適切な日射遮蔽方法はなにか?」

具体的に言えば

「遮蔽ロールスクリーンの効果はいかに!?」


今回、その結果が明らかになりました^^


(ロールスクリーン:以下RS)



実験方法は簡単で、

・朝から晩までRS全開にしたときの室内温度



・朝から晩までRS全閉にしたときの室内温度

の差を調べるというもの。


調査日は7/22(全開)と7/23(全閉)です。


気温・日照時間などの外部条件は概ねそろっていた。
(が、7/22(全開)のほうが気温が少し高かったことに要留意)


※当該居室は、2階・東向き・築35年以上の低断熱・アルミ単板ガラス。


7/22(8:10)

7/23(8:10)

※サーモ画像の大まかな色分けは、
30℃(青)~35℃(緑)~37℃(黄)~40℃(赤)~
という感じになるように温度バーを調整している。

(詳しい話は→サーモグラフィ『注意点』をご参照)


比較しやすいよう、7/22・7/23を並列します。

夏季は日の出が早いので8時の時点で室内温度に差が出ている。
全開と全閉で、天井・壁・床で約3℃の差があった。
(全開室温30℃ほど、全閉室温32℃ほど)


................

7/22(11:20)

7/23(11:30)


並べて比較する。

7/23は午前の日射が少なかったのでこの比較は少し極端。
(それでもRSの日射遮蔽効果が分かると思う)

全開と全閉で、天井・壁・床でおよそ13℃程の差が出た!


................

7/22(13:05)

7/23(13:25)

これが非常に興味深い。
並べて比較する。

全開も全閉もほぼ同等の温度になっていた。
最初は正直ナゾだった。
(なんで温度差がなくなったの?)

追って気温と日照時間を調べてみると原因が分かった。

7/22(全開)の13時前後は日照時間がほぼゼロで気温も下がっていた。
(実際曇っていた)

「日射」の室内温度への影響がとても大きいことが分かる。

※部屋は東向きのため13時頃から「直射」はなくなる。


................

7/22(17:40)

7/23(17:55)


並べて比較する。

(外部条件が多少異なるのでこの比較は少し極端だが)
全開と全閉で、天井・壁・床でおよそ10℃程の差が出た。

室温は約35℃と約33℃。

室温(空気の温度)は差は少ないが、
天井壁床温は大きな差がついたことが分かる。



天井壁床の蓄熱が放熱するため、

「冷房して、室温も下がっているのになんか部屋が暑くて不快。」

さらに、冷たい風と暑い天井壁床の差で「なんか気持ち悪い、、」

ということになる。

これが「エアコンしても暑い」「冷房病」の真相です。


................


実験が無事に終了しました^^!


結論をまとめると、

RSをすればRS無しに比べ室内への蓄熱を低減できる。

(しかも割と効果が高い)


エスネルデザインがお勧めする夏期の日射遮蔽方法の第一は
「遮光ロールスクリーン」(または遮光カーテン)
となりそうです。


理由をまとめると、

・日射遮蔽効果が高いこと。

・取り付け手間が少ないこと。
 (すだれの毎シーズン設置は少し大変)

・住まい手が自分で交換できること。
 (外部RSは自分で交換できない)

・コストが割高でないこと。
 (外部RSは少し高額。交換も高額)

・保管が不要なこと。
 (すだれは保管場所が必要になる。)

・窓の種類を選ばないこと。
 (すだれ取り付け・外部RS上げ下げのために引き違い窓や内開き窓にする必要がない。
  →気密性もコスパも良い「外開き窓」を採用できる)

などです。



RSの△な点としては、

・日中在宅時に室内が真っ暗になってしまうこと。
(休日のリビング、日中帰宅後の子供室など。)

それを避けたい場所は遮光にしなくて良いでしょう^^

(遮光と採光を両方使えるプリーツスクリーンなどもあります。)



また、

「すだれの雰囲気が好きです。(手間も問題ありません)」

「外部ロールスクリーンが好きです。(コストも問題ありません)」

という方はそちらもお勧め致します^^



【補足】................

一般的に、日射遮蔽部材(ex.すだれ、カーテン)を

・窓の「外側」に設置すると日射熱の約7割をカット出来る。
 (→約3割の熱が室内に入る)

・窓の「内側」に設置すると日射熱の約3割をカット出来る。
 (→約7割の熱が室内に入る)

と言われています。
(外で遮蔽すれば窓自身は熱されないため)


これだけ見れば「日射は外でカットするほうが良い」となりますが、
「内」につけた場合でも、「反射率」がより高いもの(ex.遮光カーテン)を使用すれば遮熱効果を上げることが出来ます。





................


ここからはさらに面白い話を^^!
(興味がある方にだけ)


17:30にはRS全開とRS全閉では10℃ほどの温度差がありました。
(天井壁床温)

・13時の時点では同じ温度だったのに。

・13時以降はRS全開にも「直射」はなかったのに。




なぜでしょうか??




次回、その理由を掘り下げていきます。

お楽しみに^^!


【ヒントは「影のなかに出来る影」です。】


-「超高断熱の小さな家」escnel design-


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