ゆうです^^
今回が「夏の日射熱調査シリーズ」のメインの回になります。
目的は「夏の適切な日射遮蔽方法はなにか?」
具体的に言えば
「遮蔽ロールスクリーンの効果はいかに!?」
今回、その結果が明らかになりました^^
(ロールスクリーン:以下RS)
実験方法は簡単で、
・朝から晩までRS全開にしたときの室内温度
と
・朝から晩までRS全閉にしたときの室内温度
の差を調べるというもの。
調査日は7/22(全開)と7/23(全閉)です。
気温・日照時間などの外部条件は概ねそろっていた。
(が、7/22(全開)のほうが気温が少し高かったことに要留意)
※当該居室は、2階・東向き・築35年以上の低断熱・アルミ単板ガラス。
7/22(8:10)
7/23(8:10)
※サーモ画像の大まかな色分けは、
30℃(青)~35℃(緑)~37℃(黄)~40℃(赤)~
という感じになるように温度バーを調整している。
(詳しい話は→サーモグラフィ『注意点』をご参照)
比較しやすいよう、7/22・7/23を並列します。
夏季は日の出が早いので8時の時点で室内温度に差が出ている。
全開と全閉で、天井・壁・床で約3℃の差があった。
(全開室温30℃ほど、全閉室温32℃ほど)
................
7/22(11:20)
7/23(11:30)
並べて比較する。
7/23は午前の日射が少なかったのでこの比較は少し極端。
(それでもRSの日射遮蔽効果が分かると思う)
全開と全閉で、天井・壁・床でおよそ13℃程の差が出た!
................
7/22(13:05)
7/23(13:25)
これが非常に興味深い。
並べて比較する。
全開も全閉もほぼ同等の温度になっていた。
最初は正直ナゾだった。
(なんで温度差がなくなったの?)
追って気温と日照時間を調べてみると原因が分かった。
7/22(全開)の13時前後は日照時間がほぼゼロで気温も下がっていた。
(実際曇っていた)
「日射」の室内温度への影響がとても大きいことが分かる。
※部屋は東向きのため13時頃から「直射」はなくなる。
................
7/22(17:40)
7/23(17:55)
並べて比較する。
(外部条件が多少異なるのでこの比較は少し極端だが)
全開と全閉で、天井・壁・床でおよそ10℃程の差が出た。
室温は約35℃と約33℃。
室温(空気の温度)は差は少ないが、
天井壁床温は大きな差がついたことが分かる。
天井壁床の蓄熱が放熱するため、
「冷房して、室温も下がっているのになんか部屋が暑くて不快。」
さらに、冷たい風と暑い天井壁床の差で「なんか気持ち悪い、、」
ということになる。
これが「エアコンしても暑い」「冷房病」の真相です。
................
実験が無事に終了しました^^!
結論をまとめると、
RSをすればRS無しに比べ室内への蓄熱を低減できる。
(しかも割と効果が高い)
エスネルデザインがお勧めする夏期の日射遮蔽方法の第一は
「遮光ロールスクリーン」(または遮光カーテン)
となりそうです。
理由をまとめると、
・日射遮蔽効果が高いこと。
・取り付け手間が少ないこと。
(すだれの毎シーズン設置は少し大変)
・住まい手が自分で交換できること。
(外部RSは自分で交換できない)
・コストが割高でないこと。
(外部RSは少し高額。交換も高額)
・保管が不要なこと。
(すだれは保管場所が必要になる。)
・窓の種類を選ばないこと。
(すだれ取り付け・外部RS上げ下げのために引き違い窓や内開き窓にする必要がない。
→気密性もコスパも良い「外開き窓」を採用できる)
などです。
RSの△な点としては、
・日中在宅時に室内が真っ暗になってしまうこと。
(休日のリビング、日中帰宅後の子供室など。)
それを避けたい場所は遮光にしなくて良いでしょう^^
(遮光と採光を両方使えるプリーツスクリーンなどもあります。)
また、
「すだれの雰囲気が好きです。(手間も問題ありません)」
「外部ロールスクリーンが好きです。(コストも問題ありません)」
という方はそちらもお勧め致します^^
【補足】................
一般的に、日射遮蔽部材(ex.すだれ、カーテン)を
・窓の「外側」に設置すると日射熱の約7割をカット出来る。
(→約3割の熱が室内に入る)
・窓の「内側」に設置すると日射熱の約3割をカット出来る。
(→約7割の熱が室内に入る)
と言われています。
(外で遮蔽すれば窓自身は熱されないため)
これだけ見れば「日射は外でカットするほうが良い」となりますが、
「内」につけた場合でも、「反射率」がより高いもの(ex.遮光カーテン)を使用すれば遮熱効果を上げることが出来ます。
................
ここからはさらに面白い話を^^!
(興味がある方にだけ)
17:30にはRS全開とRS全閉では10℃ほどの温度差がありました。
(天井壁床温)
・13時の時点では同じ温度だったのに。
・13時以降はRS全開にも「直射」はなかったのに。
なぜでしょうか??
次回、その理由を掘り下げていきます。
お楽しみに^^!
【ヒントは「影のなかに出来る影」です。】
-「超高断熱の小さな家」escnel design-
【関連記事】................【秘訣】夏の日射熱調査①「窓の適切な日射遮蔽方法は?」
【秘訣】夏の日射熱調査②「車や外の日射熱の影響」
【秘訣】夏の日射熱調査③「室内の日射熱調査いろいろ」
【秘訣】夏の日射熱調査④「ロールスクリーン有り無しによる室温差の比較。」
【秘訣】夏の日射熱調査⑤「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【概要】。」
【秘訣】夏の日射熱調査⑥「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【詳細】。」
【秘訣】夏の日射熱調査⑦「遮光ロールスクリーンってどのくらい日射熱を防ぐの?」
0 件のコメント:
コメントを投稿