2019-09-21

【秘訣】真夏の超高断熱「サーモ計測」②日中の室温と日射熱の影響。


ゆうです^^

網川原のエスネルでのサーモグラフィ計測のご報告その②!

今回は日中編♪


日差しが強くなる日中。

室内の温度はどのようになっていたのでしょうか^^





網川原のエスネルの様子はこちら♪

【網川原のエスネル‐37】「残暑の日射遮蔽ゼロ体感見学会」開催!

「測定条件」「サーモ画像を見る際の注意点」などは前回の記事をご参照ください^^

【秘訣】真夏の超高断熱「サーモ計測」①温度差のない空間と空調換気設計。

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ではでは、早速続きから♪


【9月7日】(平均:28.6℃、最高:32.3℃)


14:00頃................
(外気温:約31.4℃)

南面(リビング)

1階壁(スポット1):28.5℃
2階壁(スポット2):28.1℃
天井(スポット3):28.7℃
※床(別画像):27.7℃

1階床と2階天井の温度度差は約1℃

南面(リビング)

床下エアコン(冷房)噴き出し口わまり(スポット2)から冷気が出てきている様子が分かる。
(この時は除湿と室温を下げるために運転)
(通常は床下冷房は行わない)

床下エアコン噴き出し口は主に「暖房用」。

冬場ここから暖気が出ることで

・室内を暖める
・窓のコールドドラフトを防ぐ
・窓の結露を抑える

などの効果を得る。

西面(トイレ)直射あり

床(スポット1):27.7℃
壁(スポット2):28.1℃
天井(スポット3):30.0℃


このトイレは、開放感・採光確保のため、使用時以外は戸を開けておけるよう設計した。
(壁の連続性、天井まで高さのある引き戸、便器が見えない、など)

トイレなどの小さな室は熱がこもりやすい(冬は冷えやすい)。

戸を開けておける設計は、開放感だけでなく、温熱的にもメリットがある。


幾重もの効果を考慮して

「バランスの良い重心を定めること」

が良い設計なんだろうと考えている。


直射を受けているサッシ樹脂枠(スポット2)は約40℃と高温。

ただし、
・直射を受ける時間が限られていること
・面積が大きくないこと

などを考えるとそこまでおおごとではない。
(好みによって遮光カーテンをしても良いし、しなくても良い)

東面(リビング)直射なし

直射を受けていないサッシ樹脂枠(スポット5)は約30℃。
(壁は約28度)

一時的な温度変化よりも「全体のバランス(1日のバランス、1年のバランス)」を考えた設計を心掛けたい。

西面(洗面脱衣室)直射多少あり

床(スポット1):23.7℃
壁(スポット2):24.8℃
天井(スポット3):24.6℃
※床(スポット1)は床下エアコン(冷房)のまん前のため参考値。

戸で仕切っていないので、西面の小さな室でも熱がこもっていないことが分かる。
(追って脱衣スペースにはカーテンが設置される)


①「小さな家」→抜けの積極的利用

②「超高断熱」+「家中連続空調」

この二つは密接に関わりあい、相乗効果を発揮している。


南-西面(2階子供室)直射あり
(現在、仕切り無し(将来設置計画))

床日陰(スポット1):26.6℃
壁(スポット2):27.0℃
天井(スポット3):27.3℃

床~天井温度差=約0.7℃

北-西面の子供室もほぼ同様。

西面サッシ枠(スポット4):35.7℃
北面サッシ枠(スポット5):29.2℃

南面(外観)

南面(下屋下)

壁(スポット1):40.5℃
サッシ樹脂枠(スポット3):37.9℃

ガラスには反射した景色の温度が表示されている。
(ガラスの温度測定は難しい)

エアコン室外機

冷房時は、噴き出し口(スポット1)から高温の風が出る。

・暖房時(冬)に室外機に雪が積もりづらいよう
・排気と給気のショートサーキットが起こりづらいよう

「開きすぎず、閉じすぎない」よう室外機まわりは配慮したい。

西面(直射)

壁日陰(スポット1):34.9℃
壁日向(スポット2):41.1℃


土も緑も空調のないこんなに暑い中、ずっと外。

頭が下がります、



17:00頃................
(外気温:約30.2℃)


日中、人が多く、日射も気温も高かったため、エアコンは23-24℃程で運転していた。

夕方にはここまで家は冷えていた。

参考までにご紹介。

壁-床-天井:約22℃ほど。

給気扇からの外気温も落ち着いてきた。
(外気温は約30℃あったが)

壁-床-天井:約25℃ほど。

壁-床-天井:約25℃ほど。

南面外壁も約30℃ほどまで下がった。





その他(おまけ)................


【9月8日】(平均:30.0℃、最高:35.5℃!

13:00頃................

南面(リビング)

床(スポット1):24.8℃
1階壁(スポット2):25.0℃
1階-2階中間壁(スポット3):24.7℃
(外気温:約33.6℃)

前日の連続冷房運転が効いてきたお陰か、外気温は前日より高かったが室温は落ち着いた。

1階も2階も適温でとても快適だった。
(前日も快適範囲内)


サッシ樹脂枠温度を見てみる。(南面2階)

室内側樹脂枠(スポット1):30.8℃


屋外側樹脂枠(スポット1):48.2℃

屋外-室内の表面温度差は約18℃!

樹脂がいかに熱を伝えづらいかが分かる。
(樹脂サッシありがとう!)

以前調査したアルミサッシ。

内外温度差はほぼ無かった。
(アルミは熱伝導率がとても高い=断熱性が低い)


この図も少し面白い^^

FIX窓開き窓の熱損失の差。

FIX窓(スポット2)と開き窓(スポット1)の温度はほぼ同じ。

しかし、開き窓のほうが枠の幅が広いため、赤くなっている量が多い。


全体からすると大きな量ではないが、意味無く開き窓にする必要もない。

空調方式、コスト、見え方、掃除性、など総合的に考慮して必要に応じた窓を決めていきたい。

【S邸Web内覧会②】「窓の選び方、壁の切り取り方」

床下
床-壁-天井とも約24℃ほど。

(自然の地中冷熱の可視化のために、冷房前にも撮影すればよかったと少し後悔(^^;))

基礎(直射あり)

基礎日向(スポット1):43.0℃
基礎日影(スポット2):37.8℃
杉板外壁日向(スポット3):50.3℃

基礎は床下からの冷熱伝導の影響で、外壁より温度が低くなっている。
(外壁は通気層で熱伝導の分断あり)

屋根(ガルバリウム鋼板。遮熱あり):78.3℃

ガルバリウムの熱実験は過去記事でも♪

【秘訣】夏の遮熱効果調査おまけ①「RCの学校の温度・ガルバリウム屋根の温度」


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以上が「真夏の超高断熱のサーモ計測」の報告です^^


およそ想定通りでしたが、それが可視化できて良かった。


また、超高断熱が真価を発揮するのは「冬場」。


機会があれば真冬にも計測してみたいものです。

(K様、その時はご相談させて頂ければ幸いです。)


マニアックな話を最後までお読み頂きありがとうございました。



-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-







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村松 悠一 一級建築士
エスネルデザイン代表

新潟の気候に合った「暖かい小さな家(エスネル)」を提案している。
趣味:旅行、カフェ、夕日、2歳の息子と遊ぶこと。



メッセージはメールインスタからどうぞ^^


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