2019-08-25

【秘訣】夏のロールスクリーンの遮熱効果調査②「実験開始!ロールスクリーンの表面温度。」


ゆうです^^

前回から、エスネルデザイン的自由研究!

日射遮蔽に適したロールスクリーンの調査

をお伝えしています。

今回からいよいよ実測編!

各ロールスクリーンはどれほど日射熱を遮ったのでしょうか!?




戦われる選手たちはこちら^^!


左上「コルト」(汎用品)
反射:67.7%、吸収:3.7%、透過:28.6%
SC値:0.34
(SC値…日射カット後の日射熱の割合(少ないほうが日射熱をよりカットする))

中上「コルトエコ」(透過性優先)
反射:63.5%、吸収:2.7%、透過:33.8%
SC値:0.39

右上「コルトシークル」(遮光)
反射:37.1%、吸収:60.5%、透過:2.4%
SC値:0.36

左下「トリアスプレーン」(遮熱)
反射:71.7%、吸収:3.7%、透過:24.6%
SC値:0.30

右下「ジーア遮熱」(遮光+遮熱)
反射:71.4%、吸収:28.6%、透過:0%
SC値:0.19


それぞれの詳細は前回を記事をご参照♪

【秘訣】夏のロールスクリーンの遮熱効果調査①「実験概要。反射・吸収・透過。」

まずは実験準備の様子から^^

ダンボールをカット!
(全部その場で思いつき)

ロールスクリーンの裏に貼り付け!


窓に直付けすると、ガラスからの熱の「伝導」を受けてしまうため×。
→少し隙間を空け、実際の設置環境に近づける。
(離れ距離が最適か不明など荒い実験であることは否めない)

ロールスクリーンがガラスに触れないよう気をつけて、ダンボール部分をガラスに貼り付ける。



それぞれの遮光度(透過度)がこちら^^

(写真の具合で実際と異なる可能性あり)

「コルト」透過:28.6%
色でも透過度が異なることが分かる。

「コルトエコ」透過:33.8%
(透過にも「光を透過」と「背景の像を透過」など様々なタイプがある)

 「コルトシークル」透過:2.4%

 「トリアスプレーン」透過:24.6%

「ジーア遮熱」透過:0%

外から見るとこんな感じ♪

直射日光が当たらない位置に設置。




................


ではでは、いよいよサーモ画像を!


と、言いたいところですが、具体的にサーモ画像を見て頂く前に「サーモ画像を見るときの注意点」を↓

S邸リノベーション。17「サーモグラフィ調査①『注意点』。」

注意点は、

「表示温度に誤差があること。」

「温度差の印象操作が容易にできてしまうこと。」

でした^^


ではでは!


話の前にもうひとつ前提条件の説明を。

温度バー(サーモ画像の右端にある温度と表示色の関係を示したバー。上の画像では最高40℃~最低33℃)の温度設定は変えることが出来る。

これを固定(すべて同じ最高温度~最低温度)してそれぞれのサーモ画像を比較するのもひとつの方法だが、今回はパッと見の分かりやすさを優先するため、

:33℃以下

水色:35℃ほど

黄色:37℃ほど

赤:39℃ほど

白:40℃以上

と表示されるよう温度バーの最高温度と最低温度を画像ごとに調整した。
(詳細な温度数値を見なくてもなんとなく感覚的に読めるように)



ではでは!

〈10:20〉
実験前の各ロールスクリーン。
それぞれ温度差は無し。

窓に貼り付け直後。

周辺の様子。
アルミ枠シングルガラスから熱が伝導しているのが分かる。

〈11:30〉(開始から1時間)
 ロールスクリーンに熱の差が見られ始めた。

傾向として

「白」は「濃色」に比べ、熱が上がっていない。
(白は反射が高い+吸収が少ない)

・右上の「コルトシークル」(遮光)の温度が他よりも高いことが顕著。
(左上の「コルト」吸収3.7%に対し「コルトシークル」は吸収60.5%



しかし!

これでは、ロールスクリーンの表面温度は分かっても、ロールスクリーンを透過した熱の量は分からない!


この状態だと「吸収」は見て取れるが「透過」+「吸収後の再放射」が読み取れない(+_+)

(「ロールスクリーンの温度が高い=遮熱性低い」ではない。)


実験方法の再検討が必要!

〈参考〉
外付けロールスクリーン「ソヨカ」の光学特性。

一見、日射遮蔽には「白」が良さそうだがそうではない。

なんと、白は日射遮蔽率最下位!
(日射熱取得率が一番高い)

理由は「白」は反射は高いが「吸収」が低く、「透過」が高いから。

逆に一見、良くなさそうな濃色の「ボトルグリーン」は日射遮蔽率第2位!

理由は、反射率は低いが「吸収」が高く、「透過」が低いから。

(ちなみに、日射遮蔽率第1位は「シルバー」)

〈余談〉
「可視光(光)」の透過率と「赤外線(熱)」の透過率はどの色も概ね近似している。
しかし、「赤」は可視光の吸収は高いが赤外線の吸収はそれより大きく少ない。
→遮光性が良くても熱は通している。

事務所のカーテン(白)。
カーテンの表面温度は低いが、これは「吸収」が鈍いだけで「遮熱」しているわけではない。




................


ということで、


「なにかロールスクリーンの裏の放射熱をキャッチ出来るモノはないか、、?」


と考え、思いついたのがこちら^^

十円♪(青銅:銅95%)
銅は他の金属に比べて熱伝導率が高い。


日向が約45℃の直射時に、10円は約39℃。
日陰は約31℃、日陰の10円は約34℃。



これなら熱をキャッチ出来るかも^^


ということで、、


各ロールスクリーンの中央に10円をぶら下げてみた♪

ロールスクリーン同様、伝導が起きないよう少し距離を取って。

〈12:50〉
実験再開!





1時間ほど置いてみて10円の温度はそれぞれどうなっていたのか?



その結果は、、、!?



、、、



長くなってきたので次回に続きます^^





-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-




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村松 悠一 一級建築士
エスネルデザイン代表

新潟の気候に合った「暖かい小さな家(エスネル)」を提案している。
趣味:旅行、カフェ、夕日、1歳の息子と遊ぶこと。



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