ゆうです^^
S邸Web内覧会その②は「窓」について。
「たかが窓、されど窓。」
窓の種類や位置の違いで「暮らし」は劇的に変わります。
S邸は東南に向けて大開口を計画しました^^
それが外観・内観のデザインの個性になっています。
エスネルデザインでは「自然採光」の確保をとても大切にしています^^
僕の考えですが、
「朝の時間を自然採光が広がる室内で過ごせるかどうか」
は家族の「性格」や「その日のやる気」や「幸福度」に大きく影響してくると考えています。
(朝日を浴びると脳内にセロトニンが分必され、頭も気持ちも活性化される)
具体的には、
・朝起きる際に寝室が朝日で明るくなるか。
・家族の朝食時には電気を付けなくともダイニングは明るいか。
これだけで暮らしの満足度はとても高まると思っています。
(早朝の眠りの妨げにならないよう朝日の量は遮光カーテン等で調節可)
2階寝室の場合、自然採光を取り込むことは比較的簡単です。
ポイントはダイニングに自然採光を呼び込めるかどうか。
エスネルデザインでは、ダイニングに自然採光を導くために「吹き抜け」をお勧めしています。
「白木の床材(ヒノキ、パインなど)」や「白い壁」も光を反射させ、室内を明るくするのを手助けする。
キッチンに吊戸棚も設ける場合、キッチンが暗くなりがち。
自然採光を取り入れられるよう窓を適切に計画する。
窓(光)の「量」についての話でした。
ここからは「窓の位置」「壁の切り取り方」についての話を^^
窓を壁に付けて設置する場合も同様。(窓の角と壁天井の角を合わせる)
光を取り入れるだけでなく、
・室内の見た目をスッキリさせる。
・外の景色を綺麗に取り込む。
などにも効果的。
さらに、FIX窓の窓枠を出来る限り壁内に埋め込ませることによって「ガラスしかないような」「壁がくり抜かれたような」とてもスッキリした窓まわりを作ることが出来る。
こういった細部に設計と施工の手間と工夫が隠れている。
窓枠(板)を窓の下のみにしているのも窓まわりをスッキリさせるため。
壁や天井をそのまま窓につなげる。
壁がくり抜かれたような開口部。
窓下に壁を設けず、床をそのまま窓と連続させることで床に光が広がる。
ホールなど暗くなりがちな部分には特に有効。
暗くなりがちな北面の洗濯室には高窓を設け、明るさを確保する。
特に家事をする部屋は暗いと気分が上がらない、、
「自然採光」や「視線の抜け」を使い、心も明るくしたい^^
北面の洗面台には大開口のFIX窓を設け明るさを確保した。
朝の歯磨きや洗面は出来るなら自然光の中で行いたいもの。
明るさ確保の工夫は2階の居室も同様。
天井・壁付けとし、明るさとスッキリ感を出す。吹き抜けに面した子供室には吹き抜けの窓が望めるように室内窓を設けた。
最後に「窓の種類」について。
賛否両論あった「個室にFIX窓」。
(一般的には個室は開けられる窓を設ける)
(今回はS様のご意向でFIX窓に※僕も賛同)
エスネルデザインではFIX窓を推奨しています。
理由は、
・気密性の経年変化が少ないこと。
引き違い窓などは可動部のパッキン等の劣化により、気密性が落ちることがある。
FIX窓であればそのリスクを低減できる。
※どの程度気密が落ちるかは正確には不明。
※開き窓などレバーで締め付けるタイプであれば気密の低下はある程度抑えることが出来る。
・断熱性が高いこと。
サッシ枠(樹脂部分)が少なければその分、断熱性は高まる。
(ガラスよりもサッシ枠のほうが断熱性が低いため)
サッシ枠が少ないことは枠の結露のしづらさにもつながる。
・レール等の掃除が不要なこと。
凹凸が多ければその分ホコリが溜まりやすくなる。
特に引き違い窓はレールにゴミや泥が溜まりがち。
(→トイレや浴室にはFIX窓はお勧め。)
・見た目がきれいなこと。
壁がくり抜かれたように見えるFIX窓は外の景色をきれいに取り込む。
・コストが低いこと。
可動部がある窓と比較するとひとつの窓で数万円違うことも。
そして最大の理由は、
・超高断熱住宅だと一年を通して窓を開ける機会がとても少ない。
これは今までの建て主様に聞き取りをした結果です。
超高断熱住宅は、一年を通して冷暖房している期間がとても長くなります。
通風が心地良いのも5月や9月の一時のみ。
その時期であっても日中家にいないこともあり「窓を開けることがとても少ない」という声を多数の方からお聞きしました。
※T様も「FIX窓で良かった。」とおっしゃられていた。
【お客様の家】築2年のT様邸に訪問②「住んでからの感想・反省」
また、FIX窓のデメリットとしては「窓外側の掃除のしづらさ」が挙げられます。
これは、
・どの程度の頻度で窓の掃除をするか
・市販の長めの拭き掃除用具で対応なるか
などを検討し、建て主様のご意向を踏まえながら決めていくことになります。
また、もちろんですが全ての窓をFIX窓にすることはありません。
必要に応じて開き窓を設け、外とつながれるよう配慮します。
新緑のそよ風を感じたり、外気温から季節の変化を知ったり、鳥や虫の音を聞くことは暮らしをより豊かにします。
ほとんどの窓を「開き窓」で提案する建築会社が多いと思います。
それが「常識」的です。
しかし、設計に目的と理由があれば、「常識は非常識」となり「非常識が常識」となるということを前職の所長から学びました。
窓一つとってもこれだけ(もっと)検討や工夫する点があります。
設計士の使命は、それらを徹底的に検討し、理由を持ってお勧めすることだと考えています。
眺望の良いFIX窓って「本当に気持ち良い!」ですね^^
-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-
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