2019-08-28

【秘訣】夏の遮熱効果調査おまけ①「RCの学校の温度・ガルバリウム屋根の温度」


ゆうです^^

前回まで、エスネルデザイン的自由研究!

日射遮蔽に適したロールスクリーンの調査をお伝えしました。

今回はおまけ♪

RCの学校周辺の温度ガルバリウムの屋根の温度をご紹介します^^





実験の日時は前回と同じ8/14。
(三条市の最高気温39.5℃!

ロールスクリーンの実験と同時並行で様々なモノのサーモ画像を撮っていたのでした^^
(汗だく)


※注意※
今回のサーモ画像は前回までほど色と温度を合わせていません。
色だけでなく数値を見たほうが正確です。

〈10:10〉
事務所到着後(空調前)。
南面の外壁や床に熱が貯まっているのが分かる。
(RCは熱容量がとても大きい)

日射遮蔽をしていないとこれらが冷えるまで床暖房のような状態、

外へ。
日向アスファルトは約64℃!
照り返しが暑いわけだ(^^;)

対して、日陰は約37℃。
(差=27℃)


日陰が涼しい理由は、

①直射が当たらないこと。

②地面からの放射が少ないこと。

レンガ(日向)は約61℃。
対してレンガ(散水)は約42℃
(差=約20℃)

「打ち水」は②を和らげる効果があることが分かる^^
(東京五輪は水撒き続ける?)

どんどん熱を吸うRCの建物。

アスファルトは約61℃。
芝生は約42℃。

同じ日向でも蓄熱性や蒸散などでこれだけ温度は異なる。

土間コン(日向):約65℃。
土間コン(日陰):約46℃。
RC建物(日陰):約39℃

同じコンクリートであっても、日射を遮るかどうかで温度は全く変わる。

金属の屋根は約66℃。
木の木陰は涼しげ♪

屋根に採用しているガルバリウム鋼板の温度変化を調べてみる。
色によってどれだけ温度は変わるものか。

※エスネルは「通気層」+「厚い断熱材」が付くため、屋根材の温度の上がりやすさが室温に影響することはほぼ無い。

日射照射前(約32℃)。
温度差なし。

地面に置き日を当てる。
(地面から浮かせて置けばよかった、)

置いた直後。
左の耐摩GLの温度が普通のGLよりも低い。

「厚みが違うのかな?」と思いメーカーに問い合わせてみると「サンプルの厚みはどれも同じです。」との回答。

〈30分後〉
一番温度が高かったもので約69℃(ワインレッド)
一番温度が引くかったもので約49℃(シルバー)

屋根に採用している「耐摩GLシリーズ(写真左)」は白・シルバー系以外、同程度の温度だった。

室内(日陰)に持ち込む。

耐間GLのほうが熱を残している。
(そういう塗装?それもやっぱり厚み(蓄熱量)が違うんじゃ?)

〈30分後〉
全て室温と同じ温度に。
金属は熱しやすく冷めやすい。

工場など断熱材がない建物には屋根の遮熱性は効果的かと思うが、住宅ではそれほど目くじらを立てる必要はないと思われる。
(それよりも好みの色・コスト等を優先して良い)


3階の天窓付近。

天窓は明かりが取りやすく便利だが、夏はとても暑くなる。
天井面は壁面の何倍もの光=熱が入ってくる。
(北向き設置+遮光カーテンなど配慮が必要)

防水性やメンテナンスコストにも難があるため、エスネルデザインではよほどのことがないと勧めない。
(メーカーによるメンテコスト:10年で数万/1個とか)
(足場を掛ける必要があればもっと)

※施設等であれば良い(コストは大勢で負担)。
ものづくり学校のこの天窓も館内を明るくするのに大きく役立っている^^

3階の廊下。
床温度:約36.4℃。

真下の2階の廊下。
床温度:約35.5℃。

真下の1階の廊下。
床温度:約32.2℃。
(日陰効果+地中冷熱による冷却効果)

地中冷熱による冷却などパッシブな冷房効果は住宅にも応用できる。
(基礎断熱+床下エアコンによる送風など)

こういった知見は形を変えて住宅提案を改善していってくれる。


日射のある窓辺の熱。
(サーモ画像のグラデーションが綺麗♪)

アルミサッシ(室内側)
温度は約50.5℃。

アルミサッシ(屋外側)
温度は約51.5℃。 

アルミの断熱性は非常に低く、ほぼそのまま熱を通していることが分かる。
(熱伝導率がとても高い)



................


〈14:00〉(空調し始めてから約4時間後)

「蓄熱性の高いRC+低断熱アルミサッシ」であっても冷房すれば割とすぐに快適レベルにまで冷える。
(冷房設定温度26.5~27℃程)
(日射遮蔽がレースカーテン程度であっても)

→カーテンなどによる日射遮蔽が多少曖昧であっても大きな問題にはならない。
(事務所の窓は南側に大開口、西側は無し)

=日射遮蔽が多少曖昧であっても快適性は問題なくクリアできるということ。
(西側はある程度遮蔽したほうが良い)


あとはどれだけ冷房費を低減できるかの問題。

→手間をかけて頑張りすぎなくてもよい。
(毎シーズンつけたりはずしたり、コストをかけたり、)


それよりも連続空調が出来る環境かどうかのほうが要因として大きい。
(→空気の流れに配慮した設計+高断熱性)





................



前回からロールスクリーンやその他の熱についてまとめてきましたが、

「日射遮蔽」

なかなか奥が深いです^^


カーテンには「日射遮蔽」機能のほかにも

「デザイン」や「快眠のための遮光性」「開け閉めしやすさ」など求めるものは多岐に渡ります。


「反射」「吸収」「透過」などは置いておいて

シンプルに「好きな色・柄・種類」を選んだほうが毎日楽しいかもしれませんしね^^

(家の大部分の壁や屋根は超高断熱で熱の出入りを抑えていますし)



網川原のエスネルのK様がどんなカーテンを選ばれるか今から楽しみです♪


K様、これから家を建てられる皆様、ご検討の参考になれば幸いです。



(サーモ記事、おまけがあとひとつ続きます)


-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-





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村松 悠一 一級建築士
エスネルデザイン代表

新潟の気候に合った「暖かい小さな家(エスネル)」を提案している。
趣味:旅行、カフェ、夕日、1歳の息子と遊ぶこと。



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