2018-06-16

設計事務所の仕事『要望ヒアリング。』


ゆうです^^

設計事務所の大きな仕事に『プラン(間取り)作成』があります。

敷地を読み取り、建て主様の要望を聞き、使い勝手や構造、そしてコストを考慮しながら唯一無二のプランを設計する。

設計事務所の力の見せ所ですね。

プランを設計するための第一歩目として

「要望の聞き取り(ヒアリング)」

を行います。






設計事務所の存在意義は

『設計力が大手メーカーや工務店よりも優れていること。』

ではないでしょうか。

(正確に言うと設計だけでなく、ランニングコスト等も含めたトータルプランニング力)


※「設計事務所」…施工を自社で行わない設計だけを行う会社
(施工と設計を分離することで第三者の目で見た適正な現場監理を行うことが出来る。)





「もちはもち屋」という考え方ですね^^

施工は施工のプロである「工務店」へ。

融資などの資金計画は「ファイナンシャルプランナー」へ。

設計は設計のプロである「設計事務所」へ。

それぞれのプロに別々に依頼するということ。


※その分手間はかかります。
 その手間を省き、まとめてサービスしてくれるのが「大手メーカー」ですね。
(営業・融資・設計・工事などをまとめて依頼できる)





設計事務所の存在意義である「設計力」を活かしてプランを作るわけですが、
その第一歩目が「要望聞き取り(ヒアリング)」です。



誰でも住める当たり障りのない企画プランもありますが、

「その方の生活スタイルにあったこまやかな設計」をしたいものです。

※間取りは奇抜である必要はありません。
 収納などちょっとした部分の配慮が住んでからの満足感に大きな影響を与えます。


※要望を聞き取りますが、全てを叶えたプランを作るわけではありません。
 要望を聞いた上で設計士が「建て主様の真の優先順位」を感じ取り、取捨選択を行い、プランにします。
 なにかを諦めることで別のなにかがより良くなることはよくあります。





それでは具体的にどのようなことを聞き取るのでしょうか。

もしこれから家を考えられる方は自分自身に質問してみてください^^







Q.家で「これだけは叶えたい」というものはなにか。







【ちょっとスクロールを止めて考えてみてください。】











いかがでしょうか。


どんなものが頭に浮かばれたでしょうか。


具体的なことでしたでしょうか。


抽象的なことでしたでしょうか。


もちろんどんなものでも結構です。


今、浮かんだものを一番大切にして家づくりを進めてみてください。







ヒアリングは以上です!!




「ええーー!」





半分冗談ですが半分本気です^^

それだけ、この質問が重要だということ。


具体的に家づくりがスタートすると、この最初に浮かんだイメージがどんどん薄れていきます。


間取り、

キッチン・外壁などのグレード、

壁紙・床などの内装、

全体の予算、

工期・引っ越しのタイミング、

融資・金利、、、


など、検討すべきことが山積みで宿題になってくるからです。





だからこそ

『家で「これだけは叶えたい」というものはなにか。』

という最初の質問を大事にしてみてください。

途中で道に迷ったとき、
きっと貴方の家づくりを良い方向へ導いてくれると思います。






と、言いつつも他の具体的な要望もお聞きしないとプランが作れませんね(^^;)

ということで実際には他の質問もしていきます。



ここで重要なことは

「絶対にはずせない要望」なのか。

それとも

「出来れば叶えられればいいなー。」といった程度の要望なのか。

を聞き取る(または感じ取る)ことです。


逆に言えば建て主様は、それらを出来るだけ明確に伝えることで、より希望に近いプランを提案してもらえると思います。




それでは。





Q.希望する部屋数は


・子供部屋は何室ほしいか。

・客間、和室(畳コーナー)はいるのか。

・吹き抜けはどうか。

など。





Q.それぞれの室に具体的な要望があれば


・洗面脱衣室は物干し場も兼ねたいので広くとりたい。

・寝室・子供部屋は狭くても良い。

・2階リビングがいい。2階浴室がいい。

・キッチンに対する要望。(対面式、壁向き、二型、L型、造作、、)

など。





Q.洗濯のスタイル


・室内干し派、外干し派(服・フトン)、乾燥機派。(ドラム式・乾太くん)
 →バルコニーの要不要

・一度の洗濯の量、動線へのこだわり、洗濯をするタイミング

など。





Q.食事中にテレビを見るか


・ダイニングテーブルとテレビの関係性。

・必須か、音だけでも聞こえればいいか、逆に避けたいか。

・食事中、食後の家族の過ごし方のイメージ。

など。





Q.新築に置くことが決まっている家具など


・仏壇、神棚、ピアノ、タンス。

・ベッドかフトンか。(ベッドのサイズ)

など。





Q.必要な駐車場の台数


・2台~4台、必須か出来ればか。

・カーポートはいるかどうか。(台数)

・現在乗っている車の車種。





Q.その他こだわりがあれば


・内装、外観、庭、具体的に使いたい材。

・縁側、ウッドデッキ、

、、、





などなど。


※注意点なのですが

「ヒアリングは聞きすぎも禁物」

ということ。

上記の質問を見て思われたかと思いますが、

「あるならあるにこしたことないよねー」

というように具体的に聞き取りすぎると

「出来ればありで。」という回答が増えがちです。

そうすると優先順位がぼやけたメリハリのないプランになりがちです。

そのため設計士は「聞き取りすぎないこと」にも注意する必要があります。





ここで

良いプランを作る秘訣をお伝えします。






それは、、、






過度な要望を持ちすぎないこと。





「住めば都」という言葉があります。

人間ある程度順応するものです。

「絶対必須」という要望は実はそんなに多くないと思います。




「過度な要望を持ちすぎないこと。」

言い換えるなら、

設計士の提案するプランをまずは信じてみること。



初回プランはそれで良いと思います。

初回プランを見て気づくこともあります。


「あぁ、もっとここに収納がほしい。」

「この部屋はこんなに大きくなくていいかも。」


もし、自分たちの希望とプランの内容にズレがあればそこから修正してもいいんです。






家づくりを始めると、いろいろと情報収集されると思います。


「オシャレで広々とした洗面室」

「和室とつながった広いリビング」

「大きなウォークインクローゼット」

「隠れ家のような書斎」

、、、


本当にそれを叶えたいんであればいいんです。

しかし、情報を集め見過ぎていると

本当にそれを叶えたいのか自分でもわからなくなってしまうことがあります。

そうなると要望(夢)ばかりが膨らんでいき、その結果、コストも膨らんでいきます。



「(短期的に考えた)夢の家」を建てることが目的なのか。


「ちょうど良く金銭的にも余裕のある暮らし」が目的なのか。





設計士と話をしている途中で見えてくることもあります。

夫婦で話しながら、設計士と話しながら、そして自分自身と話しながら、

ぜひ『貴方の本当の要望』を見極めてみてください^^






【追記】................

網川原のエスネルのK様がご自身のブログで「要望ヒアリングの回答」を書かれています^^

要望のメリハリが効いていてとても良いな。と感じました。

「コレは叶えたい」という具体的な強い想い。と
「アレはどちらでも良い、なくても良い」という設計士に任せて頂ける部分のメリハリが効いています。

生活スタイルの時間割まで書いて頂き、とても参考になりました。

要望事前ヒアリング : 設計事務所と長く愛せる家を建てる


【ヒアリング後の具体的なプラン提案例はこちら】

設計事務所の仕事『初回プラン提案』‐case.網川原のエスネル‐

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