2018-03-05

【秘訣】窓の選定方法②『窓の種類と気密性。』


ゆうです^^

前回『樹脂サッシとアルミ樹脂サッシの違い』についてまとめました。

今回は窓の開き方の種類と気密性についてまとめようと思います。

画像はAPWプレスリリースより。



窓の開け方の種類はいろいろとありますが、


【引き戸系】



【開き戸系】

に大別されます。



日本の家屋では「引き違い戸」の採用がとても多いですよね。

欧米では「開き戸系」が一般的です。

夏場が高温多湿になる地域ほど「引き戸で通風を促す」習慣があり、それが窓の形状に表れていると思われます。

引き戸系・開き戸系、どちらにもメリット・デメリットがあります。



デザインや機能性はひとまず置いておいて、今回は

経年変化による気密性の低下についてお話します。



サッシ本体は30年以上持つかもしれませんが、

サッシの可動部に付いている気密パッキンは15~20年ほどで劣化してきます。

『窓の気密性が落ちる』ということです。(→家の気密性が落ちる。)


パッキンのみの劣化なのですが、20年後にパッキンのみの交換をメーカーが対応してくれるかどうかはわかりません。

パッキンの在庫があるか不明ですし、メーカーは対応が面倒になるので

「サッシ一式の交換しかありませんね。」

と言われることが想像されます。


パッキンのために窓一式を交換するのは現実的ではありませんよね。



ではどうすればいいのか。



根本的な解決にはなりませんが、

「開き戸系」の窓を選ぶことで気密性の低下を抑えることが出来ます。
(「引き戸系」の窓に比べて)


「開き戸系」の窓は、押し付けて締めつけるように窓を閉めます。

締め付けて閉めることで、多少パッキンが劣化しても隙間が出来づらいというメリットがあります。


反対に「引き戸系」の窓は、押し付け効果はありません。
(戸と戸の間、戸と枠の間に隙間が出来やすい。)

→師匠ブログ「超高断熱の家にはドレーキップ窓が基本」
(引き違い窓の気密性が経年変化で低下していることが説明されている。)



または、開けることがあまりないような場所であれば「FIX窓」(開かない窓)にするのもひとつの手です。

ただしFIX窓は中から外側の拭き掃除が出来ないのがデメリットです。

(伸びるポール付きの掃除用具など便利なものも販売されているため、年に1,2回の掃除であれば問題は少ないかもしれません。)




ここまで読んできて、


「多少気密性が落ちたってそんなに問題ないんじゃないの?」

「今のアパートの引き違い戸でもそんなに問題は感じていないし、、」


と思われる方もいるかもしれません。


低気密低断熱の家の場合は、窓の気密性が落ちても影響はあまりないかもしれません。
(低気密の家はサッシの気密性が落ちても気づかない。)


しかし、

高気密高断熱の家の場合は気密性が落ちたことを敏感に感じると思われます。

それは、高気密高断熱の状態がとても心地良いため、少しの隙間風でも気になってしまうのです。

また、今まで結露しなかった窓に結露が起きるようになるのも気になるかもしれません。

(築28年の高気密高断熱の師匠の家が今まさにそのような状況だそう。)




また、高断熱+全館空調の家ではそもそも「窓を開ける機会」自体が少なくなっています。

開けるのは風の気持ちの良い5月と9月のひととき程。
(その他の季節は、空調 or 花粉などで開けない)


「窓の種類の選び方」が環境や家の性能と共に変わってきているということ。

それらを考慮した上で適切な窓を提案していきたいと思っていきます。


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村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)

好きな窓:フィッシャー邸(アメリカ)
(2012.11訪問)











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