ゆうです^^
先日、海沿いに建つ家々の杉板外壁の経年変化を確認してきました。
ドナの外壁や我が家の蔵の外壁も。
いろいろな発見がありました^^
「海カフェドナ」に行く道中、海岸線をドライブ^^
→新潟観光大使。37『春の「海カフェドナ」とシャボン玉。』
柏崎の海沿いの家々は「観光資源」になると思う。
風雪に耐えて建つシルバーグレーの家々。
海風除けの塀も、サビづらく高くても軽いよう金属ではなく「木製」。
柏崎の海沿い(特に大崎~椎谷)はこういった家々が立ち並ぶ。
一見の価値ありです♪
おそらく張られて40年程は経過しているであろう杉板。
「節」のあたりから割れが始まっているのがわかる。
(節とその他部分で収縮率が異なるため)
柔らかい「春目」が減り、硬い「冬目」が残り年輪が浮き上がってくる。
(意図的にこうする技法は『うづくり』と呼ばれる。)
錆びる「鉄クギ」と錆びづらい「ステンレスクギ」
うづくりとなった板の陰影がとてもきれい。
海カフェドナの外壁(築35年以上経過)
上下の板を重ねて張る「下見板張り」は陰影が立ち建物の彫りが深くなる。
「数年経って元々少し残っていた塗装はほとんどなくなった。」
とオーナーの柘植さん。
ドナからの帰り道。
シルバーグレーの家だけでなく「塗装した家」もある。
ここらへんは住み手の「好み」。
しかし、板への塗装は数年ではげてくるため、「塗り直し」or「はげた風合いを受け入れる」ことが必要。
(これを計画前に理解して納得しておくことが重要!)
正面だけ塗り替えるという選択肢も。
「瓦屋根+杉板」の家。僕の感性ではとても凛々しく滋味深く見える。
歳相応に深みや風格の出る家。
「いつまでもきれいな(一部汚れが目立つ)家」とは全く別物の価値観。
椎谷の街並み。
屋根部分のみ張替え中の家があった。
杉板の新旧の対比が面白い。
日本三大馬市「椎谷の馬市蹟」 。
モルタル瓦も海沿いの風景に良く似合う。
車庫ですら凛々しく見える。
それは「海風に何年も耐えて建っていること」が伺えるから。
ダークカラーの塗装であれば、落ちてきても「自然で力強い風合い」と感じることも。
椎谷の夕日が丘公園。
→新潟観光大使。33『出雲崎観光♪良寛堂・天領の里・夕日が丘公園。』
椎谷の街並みを見下ろす。 海がこんなにも近い生活。
帰り道。
海沿いの塀にはカラフルなペイントのある家も。
目の前は海。
我が家のお向かいさんの家。
平入りで広い瓦屋根+杉板外壁。
雄大でとても格好良い。
我が家の車庫(築35年超)
北西面(右)は全然雨風が当たらないのか塗装が割りと残っている。
塗装はもう10年以上塗っていない。
しかし35年過ぎた今でも板は健全。
やはり節のあるところから割れが起きている箇所も見受けられた。
(板の裏の防水紙が生きていれば問題ない。)
板にはたくさん節があるが、割れていたのは赤丸の部分のみ。
35年経過でこの程度ならそこまで節を気にすることはない。
塗装は防腐塗装の「クレオトップ」
正面は北東面。塗装の残は半分ほど。
(しかし色が馴染んでいるのでそれほど違和感はない。)
北西面(左)と南西面(右)。
日射の当たる南面から板が白く退色してくる。
南西面(左)と南東面(右)は同等の退色具合。
板の端部を見ると、外側に反っているのが分かる(問題なし)。
雨切れなど考慮し「木表」を外に向けて貼っている。
雨や日射が当たりづらい北東面の入り隅はまだ塗装が残っている。
知人の家の板外壁の塗装が剥げているのを見かけた。
板の塗料は大きく分けて2種類ある。
『浸透系』と『塗膜系』
今までの写真の家はほぼ浸透系。この写真の家は塗膜系。
浸透系は板に浸透するため剥げ落ちることはないが、ムラになるように落ちる。
塗膜系は板に浸透するわけではないので、ムラのようになることはないが、板の伸縮についづい出来なくなるとベリっと剥げ落ちてしまう。
(どちらにもメリット・デメリットがあるので選定には知識と経験がいる。)
「風合いが良いから。」
と簡単に板外壁を選択すると、住んでから
「こんなはずじゃなかった!」
と後悔する可能性があります。
自然素材は経年変化するもの。
経年変化の様子やメンテナンスの必要性などを理解・納得した上で素材を選定することが重要になります。
〈その他の外壁シリーズの記事はこちら〉
→【秘訣】「おすすめ外壁は板張り。」35年間のメンテ・費用を考える。
→【秘訣】「タイル外壁ってどうなの?」35年後の張替えを想像する。
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エスネルデザイン代表(設計士)
お勧めの外壁:杉板の無塗装。(好みによる)
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