2018-01-25

読書日記「天才の証明」中田敦彦(オリラジ)


オリエンタルラジオのあっちゃんが書いた「天才の証明」という本を読んだ。

既存のお笑いの世界からネットのユーチューバーの視点まで。

一度売れて頂点に立ち、そこから転落して底を見た目から。

なぜ、どういう戦略から「パーフェクトヒューマン」は生まれたのか。

刺さる言葉も多く、とても面白かった。




冒頭に、「目的を間違うな。」という話がある。

あるアイドルの「センターになりたい。なれずに苦しんでいる。」と言ったことに対し、あっちゃんは、

「なんのためにセンターになりたいの?本当になりたいの?」

「たぶん違うよね。そうじゃないよね。」

「目的はファンを楽しませること、エンターテイメントで人を喜ばせることでしょ。」

「君は本当はそれがしたいんでしょ。」

「センターはその手段のひとつでしかないよ。それにこだわるより自分の個性を活かしたほうが早いよ。」

と。



僕はAKBの指原莉乃さんのことが頭に浮かんだ。

彼女は飛び抜けて可愛いわけでも、歌がうまいわけでもなかった。

しかし、バラエティーでのトークの才能があった。

バラエティーで才能を開花させた。

そういうエンターテイメントの方法もある。

アイドルだからって、アイドルらしさ(センターとか)にこだわる必要はないんだと思った。

(指原さんはバラエティーで才能を開花させた結果、認知度が上がり、結果としてセンターになってしまった!すごい!)




住宅も同じだと思った。

「新築は目的ではない。手段のひとつ。」


では目的は?


『家族や仲間と豊かな暮らしを送ること。』

目的を間違ってはならない。




本のタイトルの「天才の証明」とは、

「『自分に合っていること、得意なことに気づきその道で開花すること。』それが天才である。」というメッセージ。

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「天才とは、一握りの限られた人たちのことではありません。誰の中にも才能は眠っています。あなたも天才の一人です。自分の中の『天才』を発揮できる場所を探すことを諦めないでください。」(本文引用)

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一人ひとりが天才であることを示す。

それこそが天才の証明だと。

そのために、それぞれが自分の特性を掴むことに真剣に取り組むべきだと。


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「人間が、それぞれ微妙にスペックを変えて存在しているのはなぜか。
 協力させるためです。協力したときにこそ力が発揮されます。
 大切ないのは、自分がどういう起用のされ方をすれば最も活躍できるか。それを自覚することなのです。」(本文引用)

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「全ての業種は「正統」と「異端」がせめぎ合っている。異端が正統になり、また新しい異端に駆逐される。」

「絶対的に正しいことはなく、価値観は常に更新される。」

「コミュニティーが変われば価値観は異なる。」

「どこで自分の才能が発揮できるかは、その価値観にウケるかどうかを分析して考えなければならない。」

と言ったことも書かれていた。



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また、今日までのお笑いの歴史を分かりやすく解説・分析してあるところもあり、単純に読み物としても面白かった。

ドリフからユーチューバーまでの変遷。

その時代ごとに流行ったテレビ番組と絡めての説明はわかりやすくまた懐かしくて面白かった。

そして、時代背景や文化の変遷を読み解き、なぜその時代にこれがウケたのか、なぜそれは廃れたのか、これから先はなにがウケるのかを分析して実践しているあっちゃんにはとても興味を持った。

ところどころに裏話もあり面白い。
(武勇伝は、まさかDragon AshのGreatful Daysがモチーフだったとは!)




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パーフェクトヒューマンもそんな分析から生まれたものだった。

「藤森のラップは、韻の踏み方がシンプルでわかりやすい。」

「プロから見れば「ラップじゃない」と言われるかもしれないが、視聴者はそんなに高度なことを望んでいるわけではない。」

「わかりやすくシンプルなほうがウケる。」


これはハッとさせられた。

建築でも同じようなことがある。

「この納まりはこう。このデザインが格好良い。」

などプロ受けの良いデザインはあるけれど、住む人は本当にそこを求めているのか。

その細かいデザインに何万も出すことを望んでいるのか。

全部が全部ではないが、

「もっとわかりやすくシンプルでいい。」

と改めて思った。


僕ら設計士が気にすべきことは、同業者からの視線ではなく、住む人の幸せだから。

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「『ほどほどのクオリティー』と『オリジナリティー』がすごくいいあんばい。」
(本文引用)

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「本業×○○」でオンリーワンになる。という話。


キングコングの西野さんは

「お笑い」×「アート」

渡辺直美さんは

「お笑い」×「ダンス・音楽(洋楽)」



僕はなんだろう。

「住宅設計」×「ファイナンシャルプラン」


「住宅設計」×「旅(世界一周)」


「住宅設計」×「いなか暮らし」


それぞれ磨きをかけてオンリーワンになっていこう。



あっちゃんはキングコング西野さんのことを

「行動アート」

と評していた。

「モノの表現だけではなく考え方や思想、活動も含めてアート。」

制作した絵本だけではなく、プロモーションや活動、ブログでの広報、その他のイベント開催など、まるまるひっくるめて行動すべてでアートを表現していると。

その通りだと思った。

僕も、設計した住宅だけでなく、『豊かな暮らし』という生き方や行動を通して、その全部を提案として発信していきたい。

『家ではなく、暮らしを提供したい。』というエスネルに込めた願いの通り。




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「旧大陸と新大陸」という話があった。

旧大陸は現在のテレビのフィールドで、新大陸はネットのユーチューバーたちのフィールド。

新大陸は、秩序なくいきなり現れた。

芸歴や上下関係や業界の慣例など全く関係なく。

旧大陸の人は新大陸を冷ややかに見ている人もいるが、旧大陸はいまやジリ貧だ。

十代はテレビよりもユーチューバーにあこがれている。

危機感のある旧大陸の人は、時代の変化を敏感にとらえ新大陸への上陸を考える。

旧大陸で弱いことが新大陸へ進むモチベーション(危機感)になる。



住宅業界で考えれば、旧大陸が「新築」で、新大陸が「リノベーション」か?
はたまた「賃貸」か?

自分が「狭間」世代にいるという幸運を活かそう。

そしていろいろ試していこう。

もちろんすべてはサービスを受ける人の幸せのため。

これからの時代、変わっていく価値観を敏感に感じ行動に移していこう。




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本を読み終わって。


中田敦彦というひとに継続的な興味がわいた。

有り体に言えば、

中田敦彦のファンになった。


ひとは、他人の経験や想いに触れるとファンになるんだろう。


特に「頑張って失敗しながら努力し結果を出した。まだこの先も挑戦していく。」といった懸命な姿勢に。


これは、キングコング西野さんの「プペル」でも、AKBでも体感していた。


『感情移入』

(または「共感」「感化」)

これがこれからのキーワードなのかもしれない。

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