ゆうです^^
エスネルデザインでは『ダブル断熱』仕様を標準としています。
「超高断熱」にはほぼ必須となるダブル断熱。
そのメリットについてまとめました。
「超高断熱」や「UA値」のおさらいはこちらを^^↓
【「超高断熱」とは】網川原のエスネルの断熱性はUA=0.24
UA=0.24の網川原のエスネルの仕様は下記の通りでした。
〇壁:『ダブル断熱』仕様。
〇天井断熱:厚さ420mm。
〇サッシ:トリプルガラス樹脂サッシ。
................
ではその『ダブル断熱』とはなんなのか。
「壁内充填断熱」+「外張り付加断熱」
を組み合わせた断熱仕様のこと^^
エスネルデザインでは
「壁内充填断熱材」は「グラスウール」を、
「外張り付加断熱材」は「フェノールフォーム板」を標準採用しています。
外張り付加断熱材:フェノールフォーム断熱板(厚さ6cm)
※現在の多くの住宅は、外張り付加断熱が無く、壁内充填断熱材のみ。↑
(シングル断熱仕様)
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ではそのダブル断熱のメリットをまとめます^^
【ダブル断熱のメリット 】................
【メリットその1】
断熱性の向上
→快適性・経済性の向上。
【経済性】................
〇付加断熱あり:UA=0.24、q=61.7
(ex.網川原のエスネル)
〇付加断熱なし:UA=0.33、q=85.1
(網川原のエスネルから付加断熱を除いたもの)
冷暖房費はqに概ね比例するので
付加断熱なしの場合、冷暖房費はおよそ1.4倍かかることになります。
(85.1/61.7≒1.38)
※経済性についてはまた別にまとめます。
【快適性】................
壁の断熱性の向上は、壁の表面温度の維持につながり、体感レベルでの快適性を高めます。
(冬場、壁からの放射冷却を防ぐ)
(体感温度=(室温+表面温度)/2)
【秘訣】家中温度差のない家を「超高断熱と全館空調。」-case.S邸リノベーション-
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【メリットその2】
熱橋をカバーできる。
「熱橋」とは、全体から見て一部的に断熱性が低い部分のこと。
具体的には「柱」や「梁」の部分。
断熱材と比べて熱を伝えやすいことから「熱の橋」と呼ばれている。
(木は金属に比べると熱を伝えにくいが、断熱材に比べると熱を伝えやすい)
S邸の壁のサーモ画像より。
オレンジの部分が柱や梁。
赤の部分が断熱材。
その温度差は約1℃程。(S邸は付加断熱あり)
→付加断熱がない家の場合、温度差はもっと大きくなる。
【秘訣】家中温度差のない家を「超高断熱と全館空調。」-case.S邸リノベーション-
そして、
熱橋(柱・梁・下地材)の面積は意外と多い。
UA値を算出する計算シートの一部。
マニュアルによると壁の熱橋比率は17%。
「壁の2割弱は熱が逃げやすい部分」ということ。
この熱橋をカバーするのに、付加断熱が効果を発揮します^^
また、熱橋は柱・梁だけではありません。
一番厳しい熱橋は「金物」です!
最近主流になってきている金物工法。
(画像はタツミさんHPより)
「精度の高さ」「構造材の欠き込みの少なさ」「施工性の高さ」などからエスネルデザインでも標準採用している。
ただし、金物工法には金物部分が熱橋になりやすいという注意点がある。
(金物は柱外側から柱内側まで貫通している)
ちなみに、
グラスウールの熱の伝えやすさを「1」とすると、
木材は3.4
鉄はなんと2400程!
(熱伝導率比:2385=鉄83.5/グラスウール0.035)
鉄はグラスウールの2400倍も熱を伝えやすいということ。
金物部分の面積は多くはありませんが、熱の伝えやすさが非常に大きいので断熱対策は重要になります。
「吹き付け断熱スプレー」で現場で断熱処理することは可能ですが、
・金物の箇所が非常に多いこと。
・断熱スプレーをしても深さが浅いこと。
から完璧な断熱対策は不可能に近いものがあります。
「シングル断熱+金物工法」の場合、金物の熱橋対策は不十分なことがほとんどだと思われます。
それも、付加断熱すれば解決!
柱についた金物を付加断熱材が覆い隠すため、金物は外気と接触しない^^
細かいようですが、
金物の熱橋は結露につながり、結露はカビ・腐朽につながるため、非常に慎重な検討が必要になるところです。
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【メリットその3】
万が一の際、防水性を期待できる。
※付加断熱材に「発泡系板状断熱材」を使用した場合に限る。
エスネルデザインでは付加断熱材に「フェノールフォーム板」を採用しています。
(発泡スチロールのようなもの)
フェノールフォーム板の吸水性は低く1.7g/100c㎡ほど。
そのため、万が一の際の「防水層」として機能することを期待しています。
家の外側全面に張られたフェノールフォーム板。
通常は三次防水層まで想定しない。
(二次防水の防水紙まで)
しかし、万が一防水紙が機能しなかった際、フェノールフォーム板(付加断熱)があれば、雨水が構造材(柱・梁)に到達するリスクを限りなく低くできる。
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長くなってしまいました(^^;)
しかし、「ダブル断熱」(付加断熱)を標準採用している理由は、単に断熱性の向上だけでないということです。
結露リスクの低減や万が一の防水性など、断熱性以外の効果も意図した上で標準採用としています。
断熱仕様に限らず、設計者は「性能」「耐久性」「コスト」「施工性」等もろもろの要素を熟考した上で最適な仕様を決定し提案していきます。
※断熱材の違いについても説明したかったのですがそれはまた後日に(^^;)
-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-
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エスネルデザイン代表
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