ゆうです。
S邸リノベーションのインスペクション報告の続きです。
前回のブログ→S邸リノベーション。09「インスペクション実行『外周り②』。」
今回からいよいよ「室内」の報告です。
少しずつ問題が発覚してきました、、、
水平垂直を確認するレベラー(緑)が活躍する。
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【室内壁】
雨水がかかったか紫外線による劣化と思われる。
経年的に通常起こりうる範囲内。→要補修
壁の中を覗くとグラスウール(断熱材)が入っていた。
防湿シートはないもの。厚みも薄く、密実に施工されてもいない。
建物に隙間も多く断熱も薄くスカスカのため、このままでは冬室内はとても寒く不快な環境になると思われる。
→光熱費を抑えて快適に暮らすなら断熱材、気密材の前面やり替えが必須
また、石膏ボードは12mm厚が使用されていることがわかった。(現在の新築と同等)
そして、問題が、、、
壁が著しく傾いている!
およそ2m上がったところで2.5cm程。(緑のレーザーは垂直)
傾きにすると2.5/200≒13/1000
これは通常問題ないとされる基準の倍以上の傾きです。
※「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に記載の技術的基準
勾配の傾斜 / 構造耐力上主要な部分に瑕疵が存在する可能性
3/1000未満 ・・・低い
3/1000以上~6/1000未満・・・一定程度存在する
6/1000以上 ・・・高い
通常のインスペクションだと、6/1000未満か以上かで傾きの有無を判断しています。
6/1000未満であれば「許容範囲内だろう」ということをお伝えします。
6/1000以上であれば構造的に問題がある可能性があることをしっかりと説明します。
それが、6/1000の倍以上の13/1000!
これは一体どういうことか。
しかし、6/1000以上であれば必ず瑕疵があるというわけではありません。
考えられることは下記のとおりで
①地震によって基礎の上の構造が傾いた。
②地盤沈下によって基礎ごと建物が傾いた。
③施工時(完成時)から傾いている。(施工不良)
で、このうち②が一番深刻で、構造体へのダメージが大きく、改修にも大きな費用が必要になります。
①は、構造体へダメージはありますが、耐震改修しなおせば耐震性は修復可能です。
③であれば、構造体へのダメージは軽度(かほぼなく)問題は少ないこともあります。
「②であれば、この物件は勧められないな。」
「②かどうかの判断ができるよう床下の調査を慎重にやらなければ。」
と想像をしながらインスペクションを続けました。
ただし、壁の隅のクロスがねじれたり変形した形跡はなかったため、
地震で傾いた可能性は低いように感じていました。
(この20年の間で当該地で壁が傾くほどの地震はなかったため。)
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【室内天上】
1階(特にバルコニー直下)も2階も天井に雨染みや濡れ跡等の痕跡はなかった。
雨漏りの可能性は低いと考えられる。
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【室内階段】
傾きもなく特に施工状況に問題のある部分はなかった。
蹴上げ(1段の高さ)=205mm、踏み面=200mmで少し勾配はきつめ。
もしリノベーションして作り直せるのであれば、もう少し勾配がゆるく上り下りが楽にできる階段を提案したい。
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そして、次は1階の床の調査です。
実は、物件に入り1階のリビングを歩いたときから違和感を感じていました。
そして、レベラーで水平を確認することでその問題は明らかになりました。
問題の床の報告は次回に続きます。
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