2017-10-25

S邸リノベーション。08「インスペクション実行『外周り①』。」


ゆうです。

S邸リノベーションのインスペクション報告の続きです。

 前回のブログ→S邸リノベーション。07「インスペクション実行『概要』。」



インスペクションは無事に終わったのですが、

インスペクションを進めていくうちに大問題の疑いが浮上したのでした!

今回は外周部を。大問題の詳細はまた後日に。



東南向きで日当たり抜群♪


物件の概要は下記の通り。

・平成8年3月に建設された築21年の建物。
・延述べ床面積は約30坪(総二階。バルコニーあり)
・4LDK、駐車場2台分(カーポート付)
・電気、ガス、上下水引き込みあり。


庭のパーゴラの植物はキウイだった。


物件の間取り。クセがなくリノベーション向き。






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それでは「外周り」について報告します。




【基礎まわり周辺】

基礎立ち上がり部。
ひび割れや欠損などの不具合なし。全体的に良好。
 →地盤沈下等の可能性は少ない。


専用の機械で基礎(コンクリート)内の鉄筋の有無を検査する。
縦横とも200mm間隔で鉄筋が入っていることが確認できた。

↑とても重要!
基礎に鉄筋があるかないかでリノベーションコストは大きく変わる。
今回は、新耐震基準が義務化されてから建った建物だったので大丈夫だと思っていたがこれでひと安心。


一部モルタル(基礎仕上げ材)が浮いているところがあった。
(浮く=基礎コンクリートと仕上げモルタルの間に隙間ができること。)

打診棒でなでて音の違いを聞き浮きの有無を調べる。
モルタルが浮くといずれはがれにつながり美観上の問題となる。
また、シロアリの蟻道となるリスクもはらむので注意が必要。
(しかし、緊急性のある欠陥とまでは言い切れない。)


建物北面。基礎と外壁に泥が付着していた。
また地面が一部くぼんでいてそのまわりにコケが生えている。

雨どいに不具合があり雨がしたたり落ちて地面に跳ね、泥が外壁に付着している可能性が高い。(くぼみに砂利が集められているのは前のオーナーの泥はね対処か。)
 →雨どいの寿命は20~30年ほど。一部または全部交換する必要性あり。



―――――

【外壁まわり】

「チョーキング(白亜化)」と呼ばれる塗膜の劣化現象が起きていた。
→外壁の塗装の塗り替えまたは張替えの検討が必要
 塗膜の劣化をほおっておくと、
 →冬季に塗膜から水が浸入
 →外壁内に侵入した水が凍る
 →体積が増え爆裂が起き外壁がボロボロになってしまうリスクがある(凍害)

また、別の場所で外壁に幅0.5mm超のひび割れがあるところがあった。
→ひび割れから雨水が浸入し、雨漏りの原因となる可能性あり。
 最悪の場合、構造材を腐朽させてしまう(耐力の減衰、カビの発生。)


外壁の表面が一部はげている、コケが発生しているところがあった。
→ほおっておくと凍害リスクあり。美観上も△

また、サッシ周りのシーリング材が切れているところが多々確認された。
(シーリング材・・・材と材の間に充填する建築用ボンドのようなもの。防水ができる。)
→雨水の浸入リスクあり。シーリングの打ち直しが必要。



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【屋根まわり】

屋根形状にたわみなどの変形は見受けられなかった。
詳細な調査はしていないが赤丸部分(屋根頂部)のシーリングが劣化している可能性あり。
→リノベーション時に詳細調査・必要に応じた補修が必要。


屋根材は「セメント瓦」
見た限りでは防水性に問題はないようだった。
詳細は小屋裏に入り雨漏りがないかを確認し判断する。


軒裏(屋根の裏)は一般的なケイカル板。
→大きな問題は見当たらなかったが、時期的に塗り替えか交換が必要と思われる。


一部、軒裏の目地が欠損している部分があった。→要補修。
雨染みや、塗り直ししたような部分も確認できた。

破風(雨どいが取り付いている黒い板状の部材)の一部に塗装が落ちている部分あり。
材の耐久性に問題はないようだが、リノベーションするなら美観上塗り直したい。






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長くなってきたので『外周り②』に続きます。




築21年でこういった状態です。

これから新築する方にとっても

21年後の外周りの状態や、必要な補修のイメージがわいたのではないでしょうか。



21年後のイメージがわけば、

家づくりでなにが大切になってくるのか、

お金をどう使って、どう貯めていかなければならないのか、

そのヒントがつかめるのではないかと思います。



リノベーションを検討されている方にとっても、

新築を検討されている方にとっても、

参考になることがあれば幸いです。

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