2017-10-26

S邸リノベーション。09「インスペクション実行『外周り②』。」


ゆうです。

S邸リノベーションのインスペクション報告の続きです。

 前回のブログ→S邸リノベーション。08「インスペクション実行『外周り①』。」



前回からの「外周り」の報告の続きです。

バルコニーからの眺め。遠くに愛車の双太郎が見える。





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【雨どい】

竪樋、軒樋に大きな問題は見られなかった。(少し曲がっていたが)
樹脂の変色が見られるので塗装や交換を検討しても良い頃。

一部、雨樋を外壁に固定している金物にサビが見られた。交換を検討したい。




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【外周部その他】


給湯器の配管が基礎を貫通部分に隙間があった。
雨水や虫などの侵入が起こらないようシーリングやモルタル詰めなどの補修をしたい。

換気扇のフードが外壁の段差の部分に干渉して取り付けてあった。
詳細調査はしていないが、雨漏りが起こりづらいよう補修する必要あり。




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【バルコニーまわり】


バルコニーの床は沈むこともなく下地はしっかりとしていた。
(雨漏りしていると下地が腐朽し、ブカブカすることがある。)



最近は新築でバルコニーを提案することも少なくなりました。

それは、洗濯物を外干しする人が減ってきているから。

春も秋も、花粉やPM2.5などの問題があることや、
レイコップなどの布団用掃除機が一般的になったことが理由に上げられます。



また、バルコニーは雨漏りリスクがあります。

住宅では、バルコニーの防水はFRP(ガラス繊維強化プラスチック)の被覆防水とする方法が一般的です。

FPRは軽量かつ強靭で、耐水・耐食・耐候性に優れていますが、
それでも条件が悪いと早いと10年ほどでひび割れを起こし、雨漏りにつながることがあります。

僕の実家が正にそうで、建って12年ほどしてバルコニーから雨漏りが起こり、下の階の天上にシミができました。

現在は、バルコニーの手摺にアルミサッシを取り付け、
バルコニーを室内化して防水を取り、サンルームとして使用しています。


最近は、異常気象で大雨が起きることも増えてきているので

漏水に関する部分は慎重に設計したいものです。


FRPとサッシの取り合い部分。
築20年以上で日当たり(紫外線劣化)も多い場所だが特に大きな亀裂や剥離はなかった。
耐用年数と一口に言っても、外部条件や施工条件などにより状況は様々。
表面に多少劣化が見られたのでこのまま使用し続けるなら補修したほうが良い。

FRP防水は、10年を過ぎたら様子を見てみて、磨耗や退色や亀裂などがあればトップコートの塗り替え塗装やFRPの張替え補修を検討する必要があります。






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僕が設計する際に特に気をつけていることは


「万が一が起きた際のリスクの大きさ。」


です。



上で、「10年経ったらFRPの様子を見てみて・・・」と書きましたが、
素人では良し悪しはわかりませんよね。

そうして数年ほおっておいてしまうこともあると思います。
(バルコニーをほとんど使用していない場合は特に)


そのときに、実は防水層に亀裂が入っていて、

雨漏りが進行して、

気づかないうちに構造材を腐らせ、

カビを発生させ、

・地震時に耐力が発揮できない。

・子供がアレルギーになってしまった。

などが起きてしまったら目も当てられないですよね。



僕は、バルコニーなど「漏水リスク」のある要望を受けた場合には、

リスクについて具体的な話をして、定期的な点検やメンテナンスがかかることを納得して頂いた場合にのみ実行することにしています。


ちなみに同じような話は「天窓」でも言うことができます。

天窓は一時期は新潟でもはやりましたが最近は見る機会が少なくなってきました。

雨漏りやメンテナンスコストが高いことが顕在化してきたためだと思います。



バルコニーの手摺もグラグラせずに堅固に取り付いていた。
(ここの雨漏りがあると下地が腐り手摺ががたついてくる。)


日当たりの良いバルコニー。
僕がリノベーションするのであれば、バルコニーを吹き抜けに変えて1階の奥まで採光を取り込み、明るく開放的なリビングを作りたい。





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以上で外周りの報告が終わりました。

次回からはいよいよ建物の内部の報告をしていきます。

内部では、想像していない大問題が発覚したのでした!

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