2017-12-14

S邸リノベーション。15「インスペクションの種類。」


ゆうです。

今回は「インスペクション」について。

実はインスペクションにも種類があるんです。
 
国交省作成のインスペクションの説明資料より。



「インスペクション(住宅診断)」という言葉は、中古住宅を検討する人にとって、これから徐々に聞きなれてくると思います。

2018年4月から中古住宅取引の際にインスペクションの説明が義務化されるからです。

※説明の義務化であり、インスペクションの実施自体が義務化されるわけではない。



これは、国が中古住宅の流通を促進させたいという狙いからで、

「空き家問題の解消」や「環境負荷の低減」などの目的があります。

もちろん、優良な中古住宅の情報が増えれば、購入を検討する人にとっても良い話ですよね。



ただし!

「インスペクションがされていればその物件は大丈夫か」というとそうではありません!



インスペクションには大きく2種類あります。

①2018年4月に説明が義務化されるいわゆる「インスペクション」



②耐震診断や断熱性診断など、詳細なインスペクション


わかりやすいよう
①を「インスペクション」、②を「耐震断熱診断」と呼ぶことにします。



義務化に伴い、これからいろいろなインスペクション業者が現れるでしょう。


しかし「インスペクション」には注意が必要です!!


はっきり言えばインスペクションに過度の期待をしてはいけません!



インスペクションはざっくり言えば、

あくまで劣化・不具合の目視確認がメイン

ということなんです。


言い換えれば、

構造の確認や断熱性の確認をするわけではない。

ということ。



例として、小屋裏空間を調べた場合で比べてみると、

梁などの構造材に腐りなどの劣化がなければインスペクションでは「OK」とされます。


反対に、耐震診断では、

・梁の大きさに問題はないか。

・小屋裏の水平構面の強さは足りているか。

など、構造的な安全性を確かめるための詳細な確認をします。



また、断熱診断では、

・断熱材の種類や厚みはどれほどか

・窓や玄関戸の種類や性能はどれほどか

・施工精度の具合はどうか

など、その家の断熱性を確認します。


耐震診断や断熱診断には、知識や経験、詳細な計算が必要になります。




どちらが優っているかではなく、

「購入検討している人がどこまで求めるか。」がどの調査をするかの選定のポイント。


「雨漏りや設備の不具合がなく、とりあえず不良品でないことがわかれば十分。」
(工事する気はそもそもない)


と考えれば、インスペクションのみで良いですし、


「構造や断熱性(快適性や光熱費がどれくらいかかるか)もちゃんと知りたい。」


と考えれば、耐震断熱診断まで必要になるでしょう。
(もちろん調査費用は違います。)



ちなみに現在は、インスペクションすらされずに中古住宅の売り買いがされている状態。

なんの調査もせずに中古住宅を買うことがどれだけリスキーかという話ですよね。

はっきり言ってお勧めしません。

築年数の浅い物件ならまだしも、築20年以上の物件は耐震性や断熱性になにかしらの問題があるでしょう。
(新耐震基準が2000年から。断熱性のレベルが上がってきたのはここ数年)


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2018年4月から説明が義務化される「インスペクション」のまとめ


目視等を中心とした非破壊による現況調査を行い、安全性や日常生活上の支障がでる劣化等の有無を把握しようとするもの。


○調査対象は、基礎・壁・柱などの「構造耐力上主要な部分」や、屋根・外壁・開口部などの「雨水の浸入を防止する部分」(のうち目視可能な部分。)


○耐震性や省エネ性など住宅の性能についての調査・判断は基本的にされない。
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言い換えれば、

「インスペクション」は、

工事なしで中古住宅に住むことを想定した場合の最低限の調査。


「耐震断熱診断」は、

中古住宅を買ってリノベーション工事をした上で住むことを想定した場合の詳細調査。


と言えるでしょう。

住まい手の要望によってどの調査を選ぶのかが分かれます。


僕は、築20年以上の建物には、

耐震断熱診断+リノベーション工事をお勧めします。



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では、S邸ではどうだったのでしょうか。

具体的なお話はまた次回に。

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