2018-09-24

S邸リノベーション。23「解体②浴室の柱の腐り・筋交いの欠損!」


ゆうです^^

S邸リノベーション工事は解体が進んでいます。

そして、やはりありました。

耐力壁の不備・柱の腐りが!




S邸の施工は角田の齋藤建築設計さん。

前職でも新築で一緒に仕事させて頂いた方。
改修工事をされるとも多く、リノベーション工事には適任ということでS様にご紹介させて頂きました。

なにより棟梁(会社の代表)が現場で作業されるのが素晴らしい。
地元に根付いた仕事をされていてとても頼りになる方です。

豊かな暮らしのつくり方。13-2ー『良い工務店の見極め方②「地元・リフォーム」。』ー

リノベーションでは柱・梁や下地材はそのまま使用するので丁寧で慎重な解体が必要。
(とても手間がかかる)




実は僕には「ある不安」がありました。

それは、出窓周りの漏水→腐り。

以前、ある家の出窓からの漏水で、壁内がカビまみれになった様子を見ていたからです。

【秘訣】壁内にカビ発生。「中古住宅購入時の注意点」

S邸にも出窓が複数ついていた。
(出窓は20年前あたりに流行った)

出窓周り(=建物外周部)の柱が腐ると構造的な問題に直結する可能性が高い。
(耐震性など)



恐る恐る解体した出窓を見てみると、、、

おぉ!きれい!

多少のシミはあったが、腐りはなかった。
ホッとひと安心。
(他の出窓も同様に問題はなかった)





気を取り直して解体中の浴室へ。

S邸は在来工法の浴室でした。
(ユニットバスでなく、タイルを張って造った浴室)


こうして見ると現代アートのよう。
(廃退系・ボルタンスキー系)



そして、あってしまいました。

柱の腐りが。

浴室ドアで防水層が切れる部分。
水がかりも多く一番リスクのある部分。

柱の根元は腐って完全になくなっていた。
柱の下の土台も腐朽していた。

上部までスカスカに。
シロアリとは違う腐りによる症状。


少し脅かすような書き方をしてしまいましたが、この腐りは想定内でした。

建物の購入前にインスペクション(住宅診断)で確認していたからです。

S邸リノベーション。11「インスペクション実行『室内②床』。」

また、築数十年の家では腐った柱があることは多々あります。
(齋藤建築さんも馴れた様子だった。)


大切なのは、
新たな耐震補強計画を立て、新しい柱に適切に交換すること。


そのためには、インスペクションやリノベーションが必要になってきます。




そして、構造的な問題はもうひとつ、、、

赤丸部分をよく見てみると、、、


筋交いに穴が!
(地震に耐える部材)

これでは、地震時に耐力が発揮できず折れてしまいます。

多くの建物が倒壊した熊本地震でも、倒壊の多くの理由は
耐力壁の施工不良
でした。
(筋交いの欠損、金物がない、施工ミスなど)

設計図に耐力壁を書いていても施工ミスがあれば、耐力壁は計算通りの力を発揮しません。



筋交いのこの手の穴はよくあるんです。

この穴はエアコンを後付けしたときに出来た穴です。

エアコンの後付けは、
構造的にも、防水的にも、断熱気密的にもリスクが高い工事になります。

後付けの必要がないように、エアコンの設置も新築時にしっかり計画しておきたいものです。
(そのためには断熱や空調計画を綿密に検討しておく必要がある)




このように、中古住宅(もしかしたら新築でも)にはリスクがたくさんあります。

S邸では新たな耐震補強計画を基に問題のある部分を改修していきます。

中古住宅でも新築でも良い家を建てるのに重要なのは
「設計」「工事監理」の両方です。


-「超高断熱の小さな家」escnel design-

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