2019-10-08

【ZZのエスネル-04】初回プラン提案①「2階リビングと1階リビング。」敷地環境の活かし方。


ゆうです^^

ZZのエスネルの初回プラン提案のについてご紹介♪

いつものように初回は複数プランを提案。

今回顕著なのは、1階リビング案と2階リビング案の両方を提案させて頂いたこと。

敷地の可能性を追求して行った結果のご提案。

果たして、M様のご感想はいかに^^




M様から頂いたご要望は、1階リビングでした。

「感覚的にリビングは1階かなと。」

ご夫婦そろって1階リビングが良いというご要望でした。

その他のM様のご要望はこちら^^

【ZZのエスネル】要望ヒアリング。「初回プラン準備完了!」

プランニングの主なポイントは、

・リビングにご主人の書斎を希望。

・間口がタイトで奥に長い敷地。


・南側隣家が近接。


M様の敷地。

南側(右側)の家が近く、背が高い。
しかし、東(奥)・北(左)・手前(西)には視線が抜ける。

設計力が試される敷地条件。

「どこに視線を抜こうか」とワクワクする^^


初回プレゼンは、複数案プラン・ゾーニング図・収納検討図、など提案する図面の枚数も多くなる。

「基本プラン作成+整理・準備」でかなりのエネルギーが必要。

1枚1枚、想いを込めて色を塗る。
そこでどんな暮らしが送られるのかを想像しながら。


ゾーニング図。

「視線の抜け」と「採光」を考慮しながら、ゾーン(室のかたまり)の適切な配置を検討する。

南からリビングへの採光量が少ないため、吹抜けなど2階から光をどう確保できるかが大きなポイント。

ゾーニング図には、敷地の性格を整理して建て主様に伝えるという役割もある。




ゾーニング図の説明後、具体的なプランへ。


1階リビングの「プランA」。


エスネルデザインでは、素直に敷地を読み、素直にプランを作ることを心掛けている。


求めるのは「究極のスタンダードハウス」


それは奇抜さや見た目のデザインではなく、シンプルな形から生み出される。

イニシャルコスト、ランニングコスト、メンテナンスコストを含めたトータルコストを意識すると、自ずと家はシンプルな形になっていく。

シンプルな形は、耐震・断熱・気密にとっても効果的。

これらの調整、整理整頓こそが「デザイン」なのだろうと感じている。

【プランコンセプト】

・「面積の最適化(最小化)による家族密度の向上」
 +「住にかけるコストの最適化」

・「異なる居心地、異なる居場所」を複数設ける。
 (座る、腰を下ろす、腰掛ける、木々を眺める、空を眺める、)

・東、西、北の視線の抜けを愉しめ、リラックスできる空間を作る。

・収納は適材適所の充実させ、暮らしやすいように。

・シンプルな総二階でコストパフォーマンス、メンテナンス性を高める。


これらは、敷地やプラン、リビングの位置に寄らず、全ての提案に通じるエスネルデザインの根幹の思想。

(延べ床面積約25坪の小さな家♪)

「プランA」1階。

小さな家を広く感じさせるポイントは、室内の視線を通すこと。

左上から右下にかけて、対角線上に壁のない連続した空間を作り、その先に窓を設けることで「抜け」を作り出す。

窓からの光や景色により「空間の先」が感じられ、面積以上の広さを感じられる。

同様に「上下の視線の抜け」も重要。

吹き抜けを効果的に設け、光や抜けを確保する。

南側の隣家越しに得られる採光を考慮しながら、窓高さ屋根形状を検討する。


設計士には「外観から作り始めるタイプ」と「内部から作り始めるタイプ」がいる。

僕は「内部から作り始めるタイプ」。

窓の配置も、内部に自分を置き、どこに窓が欲しいかを考えていく。


外観の綺麗さやモダンさも大切。

しかし、僕は「内部の心地良さ」を優先した設計を重視している。
(両立を目指しながら)

プランの組み立てもシンプル。

「コンパクトな家族の間」+「広々マルチWIC・玄関収納」+「抜け」

実はシンプルほど奥が深い。

仕切り壁なく開放的な間取りが作れるのは「超高断熱」性能があってこそ。

断熱性なく、開放的な間取り・大きな吹き抜けを作っても暖まりづらい家になってしまう。


また、開放的な間取りを設計するには緻密な「構造設計」が必要。

壁・柱をどれだけ抜けるか、耐震等級を確保しながら構造計算を進める。


エアコンや換気など空調設計も重要。

性能・設備・間取り・耐震、、全ては有機的に絡みあっている。

その全てを考慮し、ベターな重心を探っていくことこそ「設計」。

「プランA」2階。

中央の吹き抜けから採光を1階リビングへ導く。
午後は反対側の窓からの採光も得られるように。

東・西・北の景観は主に2階から愉しむという形。

ご主人の書斎がリビングと同一階にならない点は検討事項。

「マルチWICの配置の別パターン案」「2階トイレなし案」などもご提案。

様々な可能性を紹介し「自分たちにあった暮らし(価値観)」を検討して頂く。

自分たちにあった暮らし・価値観は、具体的なプランを見るまで、自分でも自分の本心に気付いていないことも多々ある。

そこに「複数案を提案する理由(価値)」がある。

楽しみながら共に作る家づくりを。『複数のプランを提示する』
設計事務所の仕事『初回に複数のプランを提出する意味・効果。』


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長くなってきたので、続きはまた次回に^^


初回プレゼン後の感想をM様がブログに書かれています♪


第一印象や検討の軌跡がとても参考になります。


「こういうふうに感じられたんだ」と知ることが出来て読んでいて楽しい^^


M様の家づくりブログ、お勧めです♪


初回プラン提案① - 設計士とつくる あたたかい ちいさい おうち


-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-





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村松 悠一 一級建築士
エスネルデザイン代表

新潟の気候に合った「暖かい小さな家(エスネル)」を提案している。
趣味:旅行、カフェ、夕日、2歳の息子と遊ぶこと。



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