2017-06-27

S邸リノベーション。02「現地で建物調査。」


ゆうです。

前回から「S邸リノベーション」がスタートしました。

今回は、S様宅の建物調査のご報告です。





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S様宅は、昭和54年完成の築37年の家でした。

ここからわかることは、


「旧耐震基準」の家


ということです。


どういう意味かと言いますと、


建築基準法が昭和56年に改正される前の耐震基準で建てられた家ということで、

ざっくり言うと、


「現在に比べ、耐震性がとても低い!」


ということです。
(・地震に耐える壁が適切に配置されていない。
 ・基礎に鉄筋が入っていない。など)


言い換えれば、


「耐震補強にお金が余計にかかる!」


ということです。




出だしから非常にハンディキャップが大きいですが、

そのほか具体的な家の様子はというと、、



玄関まわりはシロアリ被害が多い部分。
今回は、屋根がかかっていることもあり、被害はないようだった。

しかし、家の北西側にまわると、勝手口のドアの下にシロアリに食われたような跡が。
北西側は雨風が一番当たるので、木が濡れたままだとシロアリを呼びやすい。

フルリノベーションする場合、下地材のみの被害であれば問題はない。
構造材まで食われていると、被害部分は交換する必要あり。

新潟に生息する「ヤマトシロアリ」は、
木材を少し食べるとまたほかの湿潤な木を探して旅に出るため、大きな被害は少ない。
(対して、関西以南に分布する「イエシロアリ」は被害が大きくなる傾向にある。)


浴室の壁はコンクリートブロック造り。
ここは基礎を新たに造る必要がある。

モルタルにヒビが入り、コンクリートブロックの外形が見て取れる。

給湯器は数年前に新しくしてもらったそうで使いまわすことができそう。
と思ったが、石油式給湯器だった。

窓周りの切れたシーリング(防水性のあるゴム)
シーリングが切れると、壁の内部に雨が入り込み、構造材が腐るリスクが高まる。

また、同行してもらった大工さんによると、
外壁は「アスベスト含有」のもので
これを解体・撤去する場合、高額な費用がかかるそう。
(アスベストが飛散しないように養生処理が必要になるため)

痛んで壊れた軒天(妻面)。
吹き上げる風雨が原因だと思われる。
軒先方向(桁面)は痛んでいなかったため、雨漏りが原因ではないように思える。

軒天(妻面)は反対側も痛んでいた。
破風から雨がつたってしみているような跡がうかがえる。

屋根は「セメント瓦+塗装」

大工さんいわく、
「経験上、この手の屋根は雨漏りしている可能性が高い。」
とのこと。

この家は2階に天井点検口が見当たらず、小屋裏を見ることができなかった。
(しかし、屋根を見る限り、屋根のやり換えは必要でしょうという結論に至った。)

窓は当然だが、アルミサッシの単板ガラス。
リノベーションする場合、断熱性を確保するために
最低でも「樹脂サッシ」+「ペアガラス」に交換となる。



最後に、床下を調査する。

昔の家は点検口が大きめで入りやすい。
現在はこの2/3ほどの大きさの点検口が主流。

内部は土のまま。
しかし、湿気はそれほど上がってきていないようで乾いていた。
構造材に腐りなどはないようでひと安心。

大引き(床の下地材)・束はきれいな木の色のまま。

「木材は適切に施工すれば1000年以上持つ。」
ということを実感させられる。





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現地調査のあとは、S様からヒアリング調査を。

長くなったので次回に続きます。





ー追記ー

FPの昆さんがS様のことをテーマにブログを上げていました。
とても勉強になる内容で面白かったです^^

ーーーー(引用)ーーーー

住宅プロの家の買い方とは?

リノベーションは建築コストを抑えることのできる方法でもあるのですが、

家のポテンシャルが低すぎると新築に負けてしまうので難しいところです。

しかし、調べることにより今後の方向性が明確になり、

“理想と現実” の具体的な着地ラインが鮮明に見えてきました。

この方が一番避けたいのは、

“低性能の新築を身の丈以上の金額で購入すること”

続きはこちら。