2017-03-24

豊かな暮らしのつくり方。05-2 ー『親と同居し、二世帯暮らし②』ー


「親と同居し、二世帯暮らし」その②です。
その①はこちら。




現在、核家族化が進んでいます。

しかし、僕の考えでは、これから先、10年、20年後には、

核家族が減り、二世帯暮らしが増えていくと思っています。



理由は、


「人口が減り、経済が縮小していくから。」です。


端的に言えば、

「収入が今より少なくなり、核家族では生活を維持できなくなるから。」

ということです。



また、

「インターネットにより、地方と都会の情報格差が少なくなってくること。」


「都会の物質的な豊かさよりも、田舎の精神的な豊かさを選択する人が増えてくること。」


も理由に挙げられます。


僕が旅した北欧やオーストラリアなど先進国では、
すでにそういう生き方を選択する人が増えてきているように感じました。


「物質的な成長の限界の先には、
 精神的な豊かさを求めるステージがくるのか。」

と現地で感じたことを思い出します。





日本は戦後、なにもないところから高度経済成長期に入り、

「田舎から都会に出て、稼ぐ」

という選択肢が王道となってきました。

現在も東京一極集中が進行しています。



今までは、核家族化のメリットが大きかった。


それは、
「田舎より、都会のほうが稼げた」ということ。

「物質的な豊かさが、そのまま人生の豊かさとなっていた」こと。



田舎から都会に移り住み、稼ぐ。

稼いだお金で家やマンションを購入する。

ローンを払うために仕事を頑張る。

収入が増える。

という好循環のパターン。



しかし、これからは、
核家族化のメリットよりデメリットのほうが大きくなってくると考えています。


それは、循環の最後の「収入が増える」がついてこないからです。

これは、人口が減少する今後の日本ではしかたのないことです。

(今後も稼ぎたければ世界へ出るしかありません。
 それもまた、素敵な選択肢でしょう。)


ましてや、両親の住む地元で核家族として住宅を建てることは、
とてつもなく贅沢なことと言えるかもしれません。

10年後、20年後にはおそらく、
裕福な人しか新築住宅を建てることはできなくなるでしょう。



『これからの時代に核家族化は有効なのか。』


今一度、考えてみてください。




ではどうすればいいのか。

悩んだときは、過去に学びましょう。



そもその核家族化は、1960年頃から進んできました。

その歴史約50年ちょっと。

人類の長い歴史から見ても、
核家族という現象は、高度経済成長が生んだ特殊状態なんです。


では、高度経済成長以前の
まだ景気がそこまでよくなかった時代、みんなどう生きていたのか。


三世代、四世代がひとつ屋根の下に暮らしていたんですよね。


経済規模(=収入レベル)が、過去並みに落ち着いてくるとするならば、
住の形態も過去並に合わせれば、収支のバランスが保てますよね。


経済(=収入)の成長に限界がきたならば、
過去のように、二世帯暮らしに戻ればいいんです。



さて、
これからは、二世帯暮らしをするメリットが様々な面で大きくなっていきます。


住宅建築費用はいうまでもなく、

光熱費、税金等、居住費用。

そして、子供の保育費用。


もしかすると、祖父母と子供が同居することで

祖父母世代も若返り、医療費や介護費を減らすこともできるかもしれません。
(この効果は大いにありえると思います。)


そして現在、様々な自治体が二世帯暮らしを推進しています。

二世帯暮らしに対する補助金は毎年増える一方です。




しかし、

「義父、義母とは生理的にどうしても一緒には住めない!」

という人もいるでしょう。


当然ですよね。


人間だれでも、
育った環境や価値観が違う人(しかも目上!)と
一緒に住むのはとても大きなストレスがかかります。

(これは、私自身が現在、妻の実家に同居しているので
 身をもって感じているところです。)

我慢してもいつか爆発します。
何十年も一緒に暮らすためには、我慢しない状況を作らなければならないのです。



そこで!


『設計の力』が役に立つわけです。


私が考える二世帯リフォームのオススメその①は、


『キッチンは2つ作る。』

『親世帯、子世帯で別々のリビング、ダイニングを作る。』


です。



感覚としては、


『ひとつ屋根の下に、別々に暮らす。』


というイメージです。


できる限り、お互いの生活スタイルや価値観に干渉しない状況を作る。


これが重要だと思います。
(もちろんケースバイケースですが)

そうすることで、
些細な価値観のズレなどからくるストレスを軽減することができます。
(些細なことでも、「チリも積もれば、、」になるんですよね、)




そして、
二世帯リフォームのオススメその②は、


『断熱リフォーム』


家まるごとでなくても、部分的にするのでもありです。

人間、寒いのだけは耐えられません。


これは、僕が、今の妻の実家(築35年)に暮らし始めて
つくづく感じていることです。

冬、家の中が寒いことは、肉体的にも精神的にも非常に不健康です。


また、
二世帯リフォームのオススメその③は、


『耐震リフォーム』


断熱リフォームをする際には、
外壁をはがすような大工事になることがほとんどです。

それであれば、耐震リフォームもするのがオススメです。


注意点ですが、

「断熱リフォーム」と「耐震リフォーム」は、

ひじょーーーに、
専門的な知識、経験が必要とされます



これらは、もはやリフォームではなく、
「リノベーション」といったほうがしっくりくるでしょう。


このあたりはまたいつか詳しく書こうと思っています。

(「断熱リノベ」や「耐震リノベ」を高いレベルで提案できる設計士は
本当に少ないのが現状です。)



長くなってしまいましたが、
最後まで読んで頂き、ありがとうございます^^

(だいぶ強い二世帯推しの内容になってしましましたが、
 新築も中古住宅もその人のライフスタイルにあっていれば
 最良の選択肢になると思っています。
 そのあたりの話は今後に!)


妻の実家のリノベーション計画を着々と考えている
ゆうでした。