2017-02-27
豊かな暮らしのつくり方。03ー『僕の住宅観の変遷』ー
前回、『家は、建てるな。』という表現の強いブログを書きましたが、
その考えに至るには、とても長い期間がありました。
「家は建てるなって、急にそんなことを言われてもついていけない!」
と感じた人も多いと思います。
そこで今回は、
前回のブログ「家は、建てるな。」の補足になればと思い、
『僕の住宅観(家づくりに対する考え方)の変遷』
の話をしようと思います。
(長くなりすぎないようだいぶ簡略化して書きます。)
家づくりを考える上で参考になれば幸いです。
①20代前半。住宅営業マン時代
その頃の僕は、
「家族をもって早く自分の理想とするカッコいい家を建てたい!」
と考えていました。
新築されるお客さんがうらやましく感じていました。
新築住宅を建てるお手伝いができることにやりがいと誇りを感じていました。
「新築住宅を建てる=家族の幸せ」とシンプルに考えていました。
この住宅観は、家を建てられる人の多数を占めるのではないでしょうか。
②20代後半。設計事務所下積み時代
その頃の僕は、
「ただ、住みやすくかっこいい家ではなく、
耐震性はもちろん、超高気密高断熱化して、
住んでからの光熱費や快適性を重要視し、
メンテナンスコストも少なくなるよう考えた
コストパフォーマンスの高い家を建てなければ!」
と意識が変わってきていました。
これは、
・東日本大震災が起き、今後エネルギーコストの上昇が避けられないことがハッキリとしたこと、
・構造計算と工事監理で裏づけがとられた耐震性能の重要性を再確認したこと、
・雨漏りや、素材の劣化など様々なクレーム被害を調べていくなかで、
引き渡してからのメンテナンスの重要性を再確認したこと、
・妻の実家(築35年。低気密低断熱)での生活がスタートし、
暖かさ・快適さが、生活する上で、なにより重要であると感じたこと、
・日本経済の先行きや、自分の老後に不安を感じたこと、
など、様々な理由からです。
現在の事務所に来られるお客様が、
家づくりについて、自力で本当によく調べられていたことにも大きな刺激を受けました。
インターネットが発展している現在、
ここまで考えて住宅を建てられる人も大勢いるかと思います。
③30代。家族を持ち、独立を考え出した現在。
設計事務所で経験を積みながら一級建築士をとり、
独立を考えている現在、とうとう
「家は、建てないことにしよう!」
というところまで、考えがかわってきました。
その理由は前回書いたとおりです。
簡単に言うと、
「家にお金をかけるよりも、家族で旅行に行きたい♪」
という感覚です。
世界一周の旅をしている頃から、
僕の中の価値観が変わっていきました。
旅をしていなくても、時代の流れで必然的に変わっていたと思います。
「物質的にはもう満たされている。」
「物質的な豊かさでは、幸せを感じることは少ない。」
「それよりも、精神的な豊かさにとても大きな幸せを感じる。」
「限られたお金をかけるなら、物質的なものよりも精神的なものにお金をかけたい。」
僕が感じる精神的な豊かさとは、具体的には、
「家族で過ごす時間」
「仲間と過ごす時間」
「自然の中で過ごす時間」
「三世代同居のなかで感じる豊かさ」
「田舎暮らしで感じる豊かさ」
「生まれた地で生活し、自分が育った町で子育てをする幸せ」
などなどです。
家の本体費用や、建てた後にかかってくる費用をけずってでも、
これらの幸せにお金をまわしたいと考えるようになりました。
そのほうが、きっと
寿命を終えるときに、「良い人生だった♪」と幸せに逝けると思ったんです。
さてさて、また長くなってきてしまいました。
「家は、建てない。」
では、どうするか。
どうやって暮らしていくのか。
それは、、、
次回に続きます♪